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コラム

将来、心理職を目指すにはどんな大学にいけばいいのですか?

2019年6月15日

テーマ:臨床心理士指定大学院の選び方

最近よく受ける質問です。もちろん、正解は一つではありません。これから心理職を目指す場合、基本的には大学と大学院に行く必要があります。資格は臨床心理士と公認心理師の二つと言って良いでしょう。私はこの資格はとても良い資格だと考えています。例えば看護師は、免許があれば、衣食住が付いてくると言われる資格ですが、何せ激務です。離職問題は永遠の課題です。臨床心理士をはじめとする心理職は、私が知る範囲ですから、当塾出身者が大半ですが、その多くは「食べていけてます」と言います。スクールカウンセラーと大学の相談室で10年食べている人もいます。カウンセリング業務だけで月30万円程度稼いでいる人もいます。大もうけはできないものの、食べてはいけると考えている人が多いのが特徴です。もちろん、地域性もあるので、看護師のように日本全国のほとんどでやっていけるとは言いませんが、それでも伸びしろのある資格だと考えています。

しかし、この有資格者を養成する大学の先生の中にもいろいろな考え方があります。ここのところ、様々な大学に訪問させてもらっているのですが、その限りにおいても、考え方は多様であることがわかります。ちょっとカオス状態かもしれません。これは、やはり臨床心理士の側が、もう少し方針を示していかないと、当面続いてしまうのではないかと思います。つまり、臨床心理士指定大学院を続ける必要がないと考えている学校が増えつつあるということです。一方で、これを堅持すると言う大学もあります。ただいま検討中という学校もあります。検討している段階で、ポジティブには思えませんが。資格認定協会のホームページでは、昨年、2214人の受験で1408人が合格しました。これらの数字は、受験者が2000人を超えた平成15年以来、最も少ない数字です。現時点で指定大学院はそこまで減っていません。やめると宣言しても学生が残っている間は、受験者がいるということですから、純粋に受験者と合格者が減っているのです。指定大学院が減っていますから、これからもこの傾向が続くと言えるでしょう。もちろん、これは公認心理師の影響と言って差し支えありません。
この状況に対して、資格認定協会も含む、臨床心理士を運営する方々が何らかのメッセージを発する必要があると思うのですが、公認心理師が生まれて以来、現時点で明確なものはありません。「最新」メッセージが昨年の8月1日です。申し訳ありませんが、もう最新ではありません。あまりこの状態が続くと、逆に「無視をしている」と受け取られかねません。そうなってからでは手をうつにせよ、うちにくくなると思います。またこの最新メッセージでは、臨床心理士やその養成カリキュラムを堅持すると言うわけですが、それは詰まるところ、公認心理師養成に配慮しないと言っているわけです。そう言いながら、共存共栄と言っても・・・という空気が漂う文書になっています。
冷静に考えていただきたいのは、ほとんどの公認心理師は臨床心理士でもあります。こうなった以上、もはやこれは切り離せないのです。つまり、資格認定協会に共存共栄する権利は失われつつあるのです。周知の通り、公認心理師には更新制度はありません。臨床心理士には更新があります。とすると、公認心理師は自ら登録をやめれば公認心理師でなくなりますが、臨床心理士は更新しないと資格が失効します。どちらが自然に減るのかは明白です。昨年公認心理師の合格者の約2万8千人のうち、臨床心理士は1万5千人以上、最大2万人弱いると思われます。3万5千人いる臨床心理士の6割近くが両資格保持者になったということです。おそらく今年もっと増えるはずです。場合によっては3万人程度の両資格保持者が出ると考えられます。共存共栄を図れるのは、多くの大学の先生を含むこの両資格保持者です。資格認定協会等、臨床心理士の運営側は、この現実からスタートになります。そしてこの二つの資格を各人がどう使おうと思っているかの意見を拾い集めるところに続きがあります。政治家の名前を出して、彼らとともに進むという宣言は、申し訳ありませんが、「すべての臨床心理士に責任を負う本協会の立場から」というなら、立つ場所も、見ている方向性も違うように思います。そして、指定大学院を担う大学がカリキュラムの編成にどれだけ苦労をしているのかを見るべきです。後発は公認心理師の側ですから、臨床心理士側が何かをする必要はないと考えるかもしれませんが、現場は学部教育のカリキュラム編成に悩まされています。特に次年度の3回生から新カリキュラムが事実上動くわけですが、次年度は、学部は公認心理師、大学院は臨床心理士といった形で分離現象が生じることを理解しておかねばなりません。共存共栄に果たして本当になっているのか、そういう方向性にカリキュラムがなっているのか、もう一度、上から目線なのにお上の目を気にする方々は考えていただけたらと切に願います。
以上を踏まえた上で、どんな大学に行けばいいのか、という質問に対する答えとして、まず考えるべきは、いつ大学や大学院に進むか、です。その時期によって戦略は変わってきます。かりに今ということであれば、公認心理師との兼ね合いが最も難しい時期ですから、臨床心理士の教育が充実しているところ、ということになります。現在高校生でこれから心理職を目指そうという人は、公認心理師のための学部教育を充実させているところということになります。公認心理師の学部教育に力を入れているところは、臨床心理士も併せて力を入れると考えているところ、すなわち大学院教育も力を入れると考えている学校と、臨床心理士養成をやめる、あるいはやめようとしている(そもそも関わっていないも含む)学校とに分かれます。どれが一番いいのかは、現時点ではわかりません。ただ、このカオスの状態で、臨床心理士側からの明確なメッセージがない中、各大学が自分たちで考えなければならない状況が鮮明になっています。こういった時は、むしろ、大学の力と、考え方、誠実さが全面に出ます。これから心理職を目指す方は、よく注視しておく必要があります。



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