マイベストプロ京都
井上博文

大学院・大学編入受験のプロ

井上博文(いのうえひろふみ) / 塾講師

株式会社コムニタス

コラム

The sooner, the better

2015年1月29日

テーマ:英語力を高める勉強方法

コラムカテゴリ:出産・子育て・教育

The sooner, the betterは子どもの英語教育でよく言われる言葉です。
早ければ早いほど良い、ということです。
最近は小学校でも英語教育が取り入れられており、先生は本当に大変です。
早い段階で英語教育を受けることは悪いことではありません。
悪いことだと言う人もほとんどいません。
何歳から学べば良いのかは、諸説ありすぎて、私にはわかりません。
「人によって違う」が正解でしょう。

しかし、早い段階から英語を学ぶにしても、日本語は言語的にかなり違いがあり、
単語も似ていて、文法も語順も近しい言語話者と比較してハンデがあります。
音声もかなり違います。お互いに存在しない音がたくさんあります。
英語と近しい、ドイツ語やフランス語やオランダ語などの使用国は
比較的早くから英語を習います。オランダは5歳から習います。
おそらくこういった国の人々は早く英語を習う方が良いのでしょう。

しかし、だからといって、日本人が早く英語を習わないとダメなのかというと、
私はそうは考えていません。私はまず日本語の読み書きがきっちりできる人が
英語を身につけにかかるべきだと考えています。
私の知人で、バイリンガル、あるいはマルチリンガルと呼べる人
(日常会話ではなくビジネス、学術レベル)は、
全員中学から英語を習い、大学で初めて英語以外を習った人ばかりです。
子どもの時から英語を習った(例えば英会話など)人はいません。
また私が昔行っていた英語の専門学校は、第6クラス(わかりやすく言えば6級)が
英検1級レベルと設定されていました。しかし、周囲を見回すと、私が一番若く、
あとは会社の金で通っているおじさまたちが一番多く、子どもは一人もいませんでした。
(というより入れませんでした)
おじさまと言っても、50歳前後、で、当時20歳ちょいの私から見ての印象ですから
あまりあてにはなりませんが、年齢層は決して低くありませんでした。
これが第5クラス、第4と上がっていくのですが、私が外からチラ見した限り、
徐々に年齢層が上がっているような印象を受けました。
つまり、日本人の英語学習は、子どもの時からやることが悪いとは言わないまでも、
ある程度の年齢に達しても、英検1級以上に伸びていく人はたくさんいるということです。

また指導者の問題も大きいでしょう。
いわゆる受験英語とそれ以外の英語をわける教育を受けてきた世代の人を
いきなり小学生の英語の先生に仕立てるのは無茶ぶりとしか言いようがありません。
The sooner, the betterは無条件であるはずがありません。
最初に出会う指導者が重要であることは間違いありませんが、
例えば5歳で初めて英語を習って、その先生が英語に関する知識が全くなかった場合、
その子どもの英語の運命はかなり閉ざされてしまいます。
言語的ハンデのある日本人は、早ければ早いほど、良い指導を受けなければ
ならないのです。

あとは子どもに英語を習わせる親の考える目標も重要です。
子どもを日本で暮らさせる意思を持たず、一生海外で暮らすように教育するならば
日本語は邪魔ですので、2歳には英語圏に連れて行くべきでしょう。
家庭でも英語で生活すべきでしょう。しかし、日本語ベースのバイリンガルにしたいと
願う人が実は大半で、親は子どもと日本語でコミュニケーションをとっています。
こういった人は日本語で思考する術を身につけてから、英語で思考できるように
訓練を受ける必要がありますが、これにはかなりの投資と時間が必要です。
また親にもかなりの英語力と英語学習に対する適切な理解が必要です。
親子で協力して英語を身につけるのが、おそらく最も近い道なのだと思います。



******************************

公式ホームページはこちら
大学院・大学編入受験専門塾 京都コムニタス
ご質問・お問い合わせはこちら

京都コムニタス公式ブログ
京都コムニタス看護学校進学部

自分磨きのための仏教
龍谷ミュージアム

この記事を書いたプロ

井上博文

大学院・大学編入受験のプロ

井上博文(株式会社コムニタス)

Share

関連するコラム

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ京都
  3. 京都の出産・子育て・教育
  4. 京都の大学受験・共通テスト(センター試験)
  5. 井上博文
  6. コラム一覧
  7. The sooner, the better

© My Best Pro