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コラム

折れない心を作る

少し前にレジリエンスについてというコラムを書きました。
レジリエンスは折れない心として、報道もされましたが、
時には、我慢して、また時にはずぶとく、また時には受け流す
そんな心を作っていくことは、今の時代本当に大切なことだと思います。
周知の通り、理研の笹井副センター長が自ら命を絶つという痛ましい出来事が
ありました。世界的な科学者であり、この国の損失だという声が大半です。
STAP細胞問題が、このような方向でここまで大きくなるとは誰にも予想できませんでした。
自死の背景について、ここで何か言えることはありませんが、笹井氏は、若い研究者のことを
常に考えておられたそうです。彼の意志を引き継ぐ若手が出てくることできる環境の設定が
必要なのと同時に、失敗があったときに、追い込み過ぎない環境設定も必要です。
テレビが「どうしてこんなことに?」と声高に言うのを聞くと、吐き気をもよおします。
メディアの報道が、笹井氏を追い込んだことを否定する人は少ないでしょう。
たまには人一人の命の重みをメディアは知ってみるべきでしょう。
家族や周囲の人の痛みに、少しくらいは目を向けるべきでしょう。

しかし、そうは言っても、メディアが反省をすることなど、あまりにも非現実的な話です。
やはり、自分たちがメディアごときに折られない心を作っておくことの方が現実的です。

追い込まれたり、疲労が重なると視野が狭くなります。卵鶏はともかく、視野がせまくなると
イラショナルビリーフがたくさん発生し、そのうち「まぁ、いいか」ということが、頭の中で
言えなくなってしまいます。真面目な人ほどそうなりがちとよく言われます。
そういったときに、まずやっておきたいことは、自己分析です。仏教的な言い方をすると、
完全な一つの個体の自己は存在しません。私たち人間も含めて、無数の直接原因と
間接原因の寄せ集めが、相互に依存し合い、支え合って、「今の自分」と認識できる
ものが生起し、存在します。この考え方を「縁起」と言います。
仏教の最も基本的な考え方です。
むしろ、細胞や遺伝子などの生命科学にも近い考え方かもしれません。

この「今の自分」が何でできているか、パーツを分析してみると、
あまりにもたくさんのものでできていることがわかります。
例えば、「今の自分」ができあがるために、不可欠だった人が、誰にでもいると思います。
親、兄弟など家族がまずいます。恩師もいます。お世話になった人、友人もいます。
ちょっとした出会いの人もいます。恋人もいます。
もしかしたら強敵(北斗の拳では「とも」とルビをうつ)もいるかもしれません。
私なら教え子もいます。
他にももっといると思いますが、主だった人だけをあげても無数にいます。
これは、長い年月生きれば生きるほど増えていきます。そして決して消えません。
一生積み重なっていくものです。行き詰まった時、心が折れそうになると
こういった人も含めて、自分のパーツを細かく分析するのです。さらに、例えば
自分の師匠を思い浮かべたとすると、師匠の師匠がおり、その前にもまた師匠がおり、
といった風にさかのぼっていくと、実は、「今の自分」という存在がいかに目に見えない、
かつ時間を超えた悠久のネットワークに支えられているかということに気づきます。
そう考えると、今の絶望感も小さいこととして捉えることが可能であり
「まぁ、死ぬほどのことではないか」
という回答にたどり着く一つの道筋になるのではないかと思うのです。
一応私も含めて、研究者は絶望感に陥りやすい位置にいます。
安定という道(これはこれで幻想と思いますが)を捨てて、自分の信じる細い道を
進んだ結果、むしろ多くの人が絶望感を感じると思います。笹井氏のように
一見世間が羨むきらびやかなキャリアがあったとしても、一つの失敗で
絶望を感じてしまうような世界と言えなくもないかと思います。私はそういった世界を
否定するつもりはありません。結果が全てで良いと思うのですが、セルフヘルプの
スキルも併せて身につけておかねば、とりわけこれからの時代、
心がすり減っていく時代になるのかもしれません。
あらためて、レジリエンスという言葉が頭をよぎり、仏教の縁起と、それに基づいた
自己分析が重要と考えた次第です。



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