縁故採用

岩波書店が縁故採用をするかのような
選考規準を出したことで、大臣までが
この問題に言及するという事態になりました。
しかし、縁故採用にそれほど大きな問題があるとは思えません。
どこからどこを縁故というかにもよりますが、
多かれ少なかれ縁故はあります。私たちが大学生のころは
OB訪問が就職活動の基本的作業でした。無論今もあるでしょう。
これだって縁故です。公務員だってあからさまに縁故採用する例など
いくらでもあります。こんなつまらない問題に目くじらをたてるよりも、
ユニクロが発表したように、既存の就職活動のあり方をやめて、時期を
決めずに人材登用するというやり方が主流になっていくでしょう。
先日朝まで生テレビで、大阪市長を意味不明なやり方で批判していた
精神科医は、競争を否定していましたが、現実問題として、日本の大学生も
すでに国際競争の中に組み込まれてしまっています。これはもはや好む好まざるの
問題ではありません。世界的にそれが常識化しています。自国を出て、
他国で外貨を稼ぐ。円高の日本はそれなりに魅力があるでしょう。
だから日本の企業に就職する留学生もたくさんおり、これがまた日本の
大学生を圧迫しています。しかし、以前、ある大学生に
「なんで中国人や韓国人やベトナム人が日本の企業に就職できていると思う？」
と聞いてみたことがあるのですが、その学生は
「賃金が安いからでしょうか？」
などと、まさに寝ぼけたことを言っていました。もちろん間違いです。
このような留学生は単純に優秀なのです。日本の大学生よりも日本の企業が
欲しがるほどにです。もちろん縁故採用などないでしょう。
意味不明な上から目線を捨てて、一度謙虚に今、自分たちがどのように
見られているか考えてみる必要はありそうです。


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