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船越克真

不登校など非行で悩める親子と共に歩む子育て支援のプロ

船越克真(ふなこしかつまさ)

船越教育相談室

コラム

子どもを理解するということ~人によって見え方は違う

子育て

2016年5月15日

どちらが本当のその子?


少年院には,その少年の身柄といっしょにその少年の資料が大量に来ます。その資料は,警察や少年鑑別所や家庭裁判所が作ったもので,いろんな人がいろんな角度からその少年を見て作られます。少年院の先生はその資料に目を通してその少年の指導をするんですが,日々いっしょに生活をしたりひざを突き合わせて語り合ったりすると,自分の目から見た少年像とその資料との間にギャップがあることがあるんですね。記録にはこう書いてあるんだけど,この子はそうではないな,って思っちゃう。もちろん警察や少年鑑別所などが間違ってその子を見ているわけではないんです。でもそうなっちゃう。どちらが本当のその子なんでしょうか。

うちに相談に来られる親御さんが「うちの子はこうなんです」とおっしゃっても,私の目から見たらそうじゃないように見えることがあります。親御さんはずっとその子を見ているわけですから,その目に狂いはないはずなんです。でも,私の目に映るその子は違って見える。どちらが本当のその子なんでしょうか。

人によって見え方が違うんです


どうしてそうなるんでしょうか。たとえば円柱の筒を見るとします。これを上から見たら丸く見えます。横から見たら四角く見えます。つまり,円柱って丸くて四角いものなんですよね。それを,上から見た人が,「これは丸い」って言って横から見た人の「四角い」を間違っていると言ったらどうでしょうか。いやいやそれは間違いじゃないよ,丸くて四角い円柱という形なんだよとなりますね。これと同じことなんです。親御さんは親御さんの目から見て私は私の目から見て,まるで違っているように見えても,どちらもその子の姿なんですよね。

そもそも人って一言で語れるほど単純ではありません。うそをつかれてきた親御さんの目から見たらその子はうそつきな子でも,うそをつかれなかった人から見たらうそつきなんかじゃない。その子は,うそつきでもありうそつきじゃない子でもあるということです。

人って変化するんです


さらに子どもは日々変化していきます。子どもは生き物ですから,昨日と今日とでは,いや1分前と今とでも違っています。時には根本的なレベルでの変化もあります。ですので,小さいころのその子と今のその子では,人としてかなり違っています。「三つ子の魂百まで」といいますが,あまり当たっていないことわざだなあと思いますね。

どうしても見方を変えられないですよね


どうしても人って,「この子はこうだ」と思っちゃったら,なかなか見方を変えられません。親御さんは自分の思いをもってずっとその子を見てきたわけですからね。今のその子の姿を多面的に見ることが難しくなっちゃうものです。それで,当たらない接し方をしてしまって,うまくいかなくなっちゃう。他人の見方と自分の見方が違ったら相手が間違ってると思っちゃたり,「こうすれば」と提案されても「そんなのうまくいくはずない」って思っちゃったり。それで現状を打開できなくてますますうまくいかなくなっちゃう。

だから他人の目が必要なんです


ことがうまくいかないときに違う人の目から見てもらうことが大切なのは,固まったその子の見方では見えないその子の姿を他人から見てもらうことで,その子を再発見して,また違う接し方ができるようにするためなんですね。ですので,今の自分からすれば納得いかない分析をカウンセラーがしても,そういった見方ができるんだと思えるようになれればと思うんです。そして,納得行かない部分をそのカウンセラーととことん話し合えばいいんです。どんどん質問をぶつけて,納得できないところを埋めていけばいい。カウンセラーだって一面的な見方してるんですから。円柱も,丸いと見た人と四角と見た人がお互いの見方をぶつけることで,円柱なんだなとわかるわけですからね。遠慮なく疑問をぶつけてください。

そうやって,いろんな目から見たその子理解で,その子への接し方をいっしょに考えましょうね。

こちらもご覧ください。別のページに行きます。
船越教育相談室ブログ
「カルテ」の使い方~その子の「歴史的資料」としての「カルテ」

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