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吉野悟

コンセプトハウス造りのプロ

吉野悟(よしのさとる)

アーバンホーム株式会社

コラム

新築住宅に漆喰壁を採用する際に失敗しないための注意点

自然素材の家

2017年12月27日

自分の家を、自然素材を使ってつくるというと、少し贅沢なイメージをお持ちになっているかもしれません。

確かに無垢材や漆喰などといった自然素材は、一般的な素材に比べ高価で施工に手間もかかります。

しかし、自然素材にはその特性から近年、問題になっているシックハウス症候群や喘息、アトピー性皮膚炎対策として有効であるということで、改めて見直されるようになっています。これは、お金や手間をかけてでも、家族の健康や快適な暮らしを手に入れたいという気持ちのあらわれでしょう。

ただし自然素材だからといってメリットばかりというわけではありません。

今回は、自然素材の中でも定番の漆喰壁を採用する際のデメリット、注意点についてご紹介します。

漆喰とは?

そもそも漆喰とはどういったものなのでしょう。

漆喰の主成分は、水酸化カルシウム(消石灰)です。この消石灰とは、石灰岩と貝殻を窒で焼き、水を加えて発熱膨張させたもので、学校の校庭などに白線を引く際に使われている白い粉と基本的には同じです。

漆喰は、この消石灰に粘着性と施工性を高めるため、海藻のり、麻すさ、わらの繊維くずを混ぜたものです。

漆喰には、大きく分けて和漆喰と西洋漆喰の2種類があります。

和漆喰は、基本的に土壁の上に塗られるため、先述したように海藻のり、麻すさなどを混ぜることで滑らかな質感に仕上がります。
これに対し、西洋漆喰は土壁ではなく石の上に塗る石灰モルタルや生石灰クリームが主流になります。石は土に比べ元々硬いことから糊を混ぜる必要がないため、和漆喰に比べざらついた質感に仕上がります。

漆喰は古代エジプト時代、ピラミッドの外壁に使われていたものが起源と言われています。

ほかにも、古代ギリシャやローマなど欧州の歴史的な建築物の遺跡からも漆喰が使われていたことがわかっています。

その後、中国を経て、今から約1,300年前に日本にもわたってきました。日本では、最初は高松塚古墳やキトラ古墳などの古墳、その後、城郭、神社仏閣、そして一般的な住宅と時を重ねていく間に幅広く使用されるようになっています。

漆喰壁のデメリット

漆喰壁のメリットとして、よく調湿効果が高いと言われています。

しかし実際はJIS規格の最低基準を超えていないこと、現在の住宅のほとんどは土壁ではなく石膏ボードの上に漆喰を塗っていることから、調湿効果はそれほど期待できません。
むしろ撥水が悪く、吸い込むだけのため、コーヒーやジュースといった色のついたドリンク類をこぼして壁にかかると、色が残ってしまうことになります。ほかにも次のようなデメリットがあります。

(1)工期がかかる・値段が高い
一般的なビニールクロスを新築の家に張る場合、下地処理も必要ありませんので、単純に壁の上に張っていくだけで、その作業は1日あれば終了します。

しかし漆喰の場合、下地塗料を塗り、下塗り、仕上げ塗りと数回に分けて塗っていくうえ、1回ごとに乾燥させなければなりません。そのため作業面積や人員にもよりますが、1日で終わることはまずないと考えてよいでしょう。

日数がかかるということは当然、ビニールクロスに比べコストも高くなります。

(2)傷が残る
前項でご説明したように、漆喰の主成分は消石灰です。そのため、何かですったりひっかいたりしてついた傷はそのまま残ってしまいます。また漆喰は伸縮性がないため、施工の際、外的な力が加わると、かすかなヒビが入ることもあります。

(3)施工時のにおい(海藻のり)
漆喰をつくる際に使用する、海藻のりのにおいが多少残ります。時間がたてば消えてしまいますが、人によっては気になるにおいのため、このにおいで漆喰壁を嫌がる人もいます。

漆喰壁を採用する際に注意する点

漆喰壁の採用を決めた際に、一番、注意しなくてはいけないのは、値段で職人を決めることです。

少しでもコストをおさえるということももちろん重要ですが、漆喰壁にかんしては、施工に熟練と手間が必要になるため、値段だけで決めてしまうと、後で後悔することになる確率が高まります。

漆喰壁の職人は以前に比べ減少しています。それだけに良い職人を見つけることが非常に難しく、それでも漆喰壁にしたいのであれば、自分たちが望むもの、こだわりをしっかりと理解し、実現してくれる職人を見つけることを最優先するようにしてください。

今回ご紹介したように漆喰壁には、デメリットや注意点はありますが、不燃材料として認定されている素材のため、防火性が高いこと、シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、トルエンといった有害物質を吸着、分解して無害化する効果を期待できること、異臭の吸収、分解力にも優れていて、家の中の異臭をおさえる働きがあることなど、デメリット以上にメリットも多くあります。

漆喰壁を採用する際には、メリットとデメリットのバランスを良く検討したうえで、決定するようにしましょう。

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