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田上和俊

住宅を検査・診断し、災害から家を守るプロ

田上和俊(たのうえかずとし) / 一級建築士

熊本耐震診断・建物検査・普及センター 一級建築士事務所

コラム

危機意識を持とう!リフォーム工事も杭工事偽装のような場合があるかも?対応策は第3者機関の検査

2015年11月10日 公開 / 2020年11月1日更新

テーマ:杭工事偽装防止同様リフォームも3者の検査

コラムカテゴリ:住宅・建物

コラムキーワード: 耐震リフォーム

11/10の新築住宅の住宅検査は、熊本市内木造2階建て躯体検査です。

ところで、先日中古住宅の熊本市認定耐震診断士として中間検査をしました。先日中古住宅検査(既存住宅検査)した物件だけでなく、中古住宅は、壁を壊さないとわからない部分</font>が多くあります。

中古住宅診断(既存住宅診断)する時は、熊本市の耐震補助金制度を受ける場合</font>、耐震診断では、筋交いの位置は、建築確認申請に添付してある図面で推測して、小屋裏や床下点検口からもぐって確認します。ただし、見える範囲が限られています。

基本的に小屋裏から見える筋交いは上部写真のように見えます。


しかし、いざ壁を壊してみると上部の写真のようなっている場合があります。

ここで問題点2つのがあります。

①、筋交いは、確認申請の図面では、耐力壁(筋交い)の幅は91㎝だったのですが、実際には、幅は62㎝しかありません。幅が足りないです。現在の基準法では、筋交いの幅は最低90㎝以上が必要です。

②、筋交いが柱に取り付けられてません。束に筋交いが取り付けられてますのでこれもだめです。この場合、筋交いの向きを変えなくは施工できないので、筋交いの向きを変えました。

このように、小屋裏から見ると基準法に適合するためには、既存の筋交いに筋交いプレートと柱の上下に金物を施工すればいいと思われますが、いざ、壁を壊してみると筋交いの幅が足りなく、また、向きを変えなくては、施工出来ないということがわかりました。

でも、こうゆう事例は、この現場だけでしょうか?よくあると事と思いませんか?想像して下さい。

工務店や大手のハウスメーカーに工事を任した場合、リフォーム工事は、市役所等の検査義務はありません。当然、第3者機関の検査もありません。壁を壊して、こんな状態だった場合、どう対応するでしょうか?

大手メーカーなので大丈夫と思うのは、安易だと思います。杭工事偽装のメーカーは、旭化成建材です。大手です。

だから、大手メーカーとか関係なく良心のある業者さんだったら、ちゃんと対応すると思いますが、そうでない場合・・・

だから、中古住宅の工事(耐震リフォーム工事等)をする場合や不動産屋さんから中古住宅を購入する場合は、第3者に検査や、診断してもらったほうがいいと思います。

今大問題になっています、横浜のマンションの杭工事偽装のように、関連会社だけで、第3者機関の検査がない場合、このようになりかねない場合があるとは思いませんか?

この記事を書いたプロ

田上和俊

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田上和俊(熊本耐震診断・建物検査・普及センター 一級建築士事務所)

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