この家と出会ったのは十二年前です。
地震に強い物部川流域で、畑が出来るような土地を探して見つけました。
そのときは屋根の一部も崩れており、
人が住めるような状態ではありませんでした。
さっそく大工さんの屋根と床の修理をお願いして、
残りは自分で修理することにしました。
それから毎週末、畑仕事と修理に通いました。
台所の流し台は自分で作りました。
何といっても囲炉裏と五右衛門風呂が魅力です。
寝泊まりできるようになるのに3年ほどかかったでしょうか。
不思議なことに、この家で泊まるとぐっすりとよく寝ます。これも古民家の魅力でしょうか。
調べてみるとこの家は築120年程経っているようです。
ということは大きな地震を少なくとも二回経験していることになります。
本当の古民家の強さはこれでしょうか。
今の一般的な日本の住宅は三十年ほどで建て替えられています。
欧米では、リフォームをしながら百年ほど使っている住宅もあるようです。
今回は「白アリと雨漏り」という大敵が現れた為、
以前から独自のセンスで古民家再生を行っていると聞いていたMIタウンさんに耐震も含めて
対策と一部改修をお願いしました。
社長の片岡さんはたくさんの引き出しを持っていて、
話を聞いているだけでも楽しい方です。
どうやら片岡さんの恋人は古民家のようです。
次から次へと浮気をしながら人生を楽しんでいるのでしょう。
また現場で作業している方々の真面目さには頭が下がります。
古いものを壊すのは簡単ですが、壊してしまえば二度と同じものは作れません。
古民家の良さは住んでみて、そこの空気を吸わないと触れないとわかりません。
もうすぐ仕上がるのでとても楽しみにしています。
庭に手作りしたピザ釜で手製のピザを焼こうと思っています。