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松本誠(まつもとまこと)

シーサイド海事法務事務所

コラム

相殺の制限

船員労務

2017年12月12日

海運業や旅客船業等の船に関わる企業の皆様を
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今回は、「相殺の制限」について書きたいと思います。

労働基準法では、前借金等の債権と賃金を相殺してはならないとなっております。

借りていたお金を賃金と相殺してしまうと、生活ができなくなってしまいますからね。

また、賃金の支払いは,労働者の生活を安定させるという趣旨から,所定期日に所定賃金を全額支払うのが原則とされています。これを全額払いの原則 (労働基準法第24条第1項本文) と呼んでいます。

全額払いの原則 からすると、基本的には名目に関係なく相殺はしてはならないということになります。

【労働基準法】
(前借金相殺の禁止)
第十七条 使用者は、前借金その他労働することを条件とする前貸の債権と賃金を相殺してはならない。

(賃金の支払)
第二十四条 賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。
○2 賃金は、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。ただし、臨時に支払われる賃金、賞与その他これに準ずるもので厚生労働省令で定める賃金(第八十九条において「臨時の賃金等」という。)については、この限りでない。

ただし、相殺の合意がある場合には、その相殺合意が労働者の自由意思に基づいてなされたものであると認めるに足りる合理的理由が客観的に存在するときは,その相殺合意に基づいて賃金債権を相殺したとしても,全額払いの原則には違反しないという判断をしています。

原則としては、相殺は× ただし、合意がある場合には違反はしないということです。

では、船員のほうはどうでしょうか。

船員法と見てみると、やはり相殺してはならないとなっておりますね。
ただ、条文を見てみると、「相殺してはならない」という言葉の後に「但し~」という言葉があるのが分かると思います。
ここが労働基準法と違うところですね。

(相殺の制限)
第三十五条 船舶所有者は、船員に対する債権と給料の支払の債務とを相殺してはならない。但し、相殺の額が給料の額の三分の一を超えないとき及び船員の犯罪行為に因る損害賠償の請求権を以てするときは、この限りでない。

陸上では、合意があれば相殺は可能となりますが、
船員法では、相殺の額が1/3を超えない額で、船員の犯罪行為にて損害を被った場合には相殺できるよとなっております。

陸上との何で違うのか分かりませんが、昔は犯罪を犯す船員さんが多かったということでしょうか。

その名残として残っているのか分かりませんが、今の時代犯罪を犯す船員さんはほとんどいないと思いますので、但し書きの部分は陸上に合わせて削除したほうが良いのではないでしょうか。

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