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コラム

鳶の仕事は、体力仕事だけじゃない!芸術的な想像力が必要!

2019年1月9日

テーマ:意外と知られていない鳶職人

とび職の仕事は建設工事現場の足場を組むのが主な仕事です。一見、体力勝負の仕事に思えますが、足場の設置は、建築物の図面を見ながら、作業員が安全かつ効率よく働けるよう、想像力を働かせながら行っていきます。
とび職の仕事は、体力も必要ですが芸術的な想像力も必要な仕事です。

建設現場の足場は、歴史と共にその材質や、組み立て工程などが改良されてきました。そんな足場の歴史も一緒にふりかえってみましょう。

足場の歴史や組み方の移り変わりについて

建設工事現場で足場を組む仕事は古くからありましたが、とび職と呼ばれるようになったのは江戸時代からと言われています。

その当時の足場は、ヒノキなどのまっすぐな細い丸太を鉄線で締めて固定する「丸太足場」でした。この工法は、現在も伊勢神宮「神宮式年遷宮(じんぐうしきねんせんぐう)」という行事の中で、見ることができます。

1950年代に突入し、森林資源保護の目的から、木材の代わりに「鋼管足場」の開発が本格化し始めました。1954年(昭和28年)、東京のある建築施工現場で、鉄パイプで足場を組んだ「単管足場」が登場し、同じころ鋼管製の部材を組み合わせて積み上げる「枠組み足場」も登場しました。

「枠組み足場」は、現場においてその使い勝手の良さと安全性の高さは好評だったものの、コストが高いことや「単管足場」よりも部材が多いというデメリットのために1950年代になっても普及が進まず、造船所など主に土木の一部現場で利用されているだけとなってしまいます。

次に登場したのが「くさび式足場」で、この足場は、日本の狭い土地に木造家屋を建てるというニーズにあった足場です。

建物の形状に関わらず盛替えや組み換えが簡単にできるメリットがあり、当初は木造家屋低層住宅工事用の足場として利用されていたのが、中層建築工事用にも利用されるようになっています。
とび職人が地上31mの高さの建物で、ハンマー1本で組み立てができることから広く普及しました。

現在においても足場は進化を遂げています。

とび職人の足場組立作業は、とてもクリエイティブな仕事

足場の部材が歴史と共に進化する中で、とび職人がする仕事は昔も今も変わりません。

建築に携わる作業者全員が安全で仕事ができるよう、建築行程に先駆けて足場を組んで準備をすることです。
とび職人の世界では、現場で経験を積み、図面を見て1人で部材の種類や数を計算して、組み立てられるようになれば一人前の職人とみなされるようになります。

もちろんこの作業にも資格が必要で、「足場の組み立て等作業従事者」の教育を受けて資格を取らなければなりません。
そして、高さが5m以上の足場になれば、「足場の組み立て等作業主任者」の資格が必要になります。

足場の組み立てができるようになるには、さまざまな条件を考慮し、常に先を見据えて想像力を働かせる必要があります。
足場の組み立てで、最初につまずくのが、「足場と躯体の距離」です。
建物本体と、足場の距離をどう設定するかで、作業者の作業効率に大きく影響を与えるからです。

また、建物の形によっては、その距離を一定に保てないこともあり、広すぎる箇所には落下防止対策をしなければならないし、どれぐらいまで縮めても作業に影響が出にくいかなどを同時に考えていかなければなりません。

この他にも資材の運び込みをしやすくするために、どこで資材を下ろすのがよいか、その場所を搬入する会社の担当者と打ち合わせをして決めたり、足場の手すりや階段の設置場所など、安全第一も考えながら足場を組んでいきます。

たくさんの建設作業員がそれぞれの仕事を無駄なく安全に行えるよう、常に頭の中で先をイメージするクリエイティブな仕事が足場の組み立て作業です。
そして、その仕事の過程においては、それぞれの作業において調整も必要になります。相手に、少し我慢してもらわなければいけないことを前もって伝えて理解してもらうといった交渉力も時には必要になります。

このような足場組立作業は、先輩の職人が実際にそれをやっている現場を横で見ながら、質問したり、自分ならどうするかを考えながら覚えていきます。

この足場の出来栄えによって作業効率がアップすれば、給与が歩合制の多いとび職人の世界では、仕事を増やすことができるので収入アップにもつながります。

足場組立もIT化が進む

とび職人の足場組立作業で足場の設計をする際には、必要な部材の数や足場の強度を出すなどさまざまな計算を伴います。

この作業においても、法が定めた基準に従って行わなければなりません。

昔は親方が頭で考え、計算も手作業でしていましたが、技術の進歩により、これらの計算をするソフトも開発されています。
そして図面作成においてもCADと呼ばれる、建築の設計支援ソフトがあり、これらを上手く使いこなすことで、正確でスピーディーに足場組立作業ができるようになっています。

これからとび職を目指そうとする人なら、現場で経験を積みながら、このようなソフトをパソコンで上手く使えるように勉強しておくと仕事の効率を上げることができます。

この記事を書いたプロ

中村隆人

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