財布に入らない!高齢者受給者証
先日、私が定年まで勤めた京セラの稲盛名誉会長の訃報を知りました。私は、父が亡くなったときと同じくらいの悲しみを感じました。
稲盛氏は私にとって「恩人」であり、同時に「師」のような存在でした。
私が大学院を卒業するとき、まだ世の中は石油ショックに続く不況下で、就職難の時代でした。
希望していた会社を不採用となり困っていたときに、京セラを受験し、〈拾って〉いただきました。そのとき、稲盛氏本人に直接採用面接をしていただいたので、私にとっては稲盛氏は「恩人」です。
時に会社は急成長の最中で、目が回るほどに忙しく、また勢いがありました。
その中で、稲盛氏の「フィロソフィ」を知りました。稲盛名誉会長の経営の特長と言われるものの一つが「フィロソフィ」ですが、実を言うと、若かった私は、最初のうちは抵抗を感じることもありました。
しかし、長い時間をかけて学び、繰り返し実践して行くうちに、そのストイックな考えに共感できるようになりました。その意味では「師」でもあります。
また、稲盛氏の生き方や考え方は私が勤めた41年間、一度としてブレることはありませんでした。物事の基本を、本当に突き詰めて考えておられたのだと思います。
稲盛氏は厳しいときはとても厳しいお方ですが、あの優しいときの少しはにかんだ、大袈裟かもしれませんがまるで仏様のような笑顔をもう見ることができないと思うと、本当に残念です。