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コラム
小4の壁はジュニアアスリートにもあるのか?
2023年1月18日 公開 / 2023年1月19日更新
小4の壁、もしくは9歳の壁などと言われているのはご存知でしょうか?(たまに小5の壁、10歳の壁と呼ばれているものもあります。)
小学4年生ぐらいが、また一つの壁だと呼ばれているのは、下記の文部科学省の子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題から見てもわかると思います。
○ 9歳以降の小学校高学年の時期には、物事をある程度対象化して認識することができるようになる。対象との間に距離をおいた分析ができるようになり、知的な活動においてもより分化した追究が可能となる。自分のことも客観的にとらえられるようになるが、一方、発達の個人差も顕著になる(いわゆる「9歳の壁」)。身体も大きく成長し、自己肯定感を持ちはじめる時期であるが、反面、発達の個人差も大きく見られることから、自己に対する肯定的な意識を持てず、自尊感情の低下などにより劣等感を持ちやすくなる時期でもある。
また、集団の規則を理解して、集団活動に主体的に関与したり、遊びなどでは自分たちで決まりを作り、ルールを守るようになる。その一方、この時期は、ギャングエイジとも言われ、閉鎖的な子どもの仲間集団が発生し、付和雷同的な行動が見られる場合もある。
○ 現在の我が国における小学校高学年の時期における子育ての課題としては、インターネット等を通じた擬似的・間接的な体験が増加する反面、人やもの、自然に直接触れるという体験活動の機会の減少があげられる。
○ これらを踏まえて、小学校高学年の時期における子どもの発達において、重視すべき課題としては、以下があげられる。
抽象的な思考の次元への適応や他者の視点に対する理解
自己肯定感の育成
自他の尊重の意識や他者への思いやりなどの涵養
集団における役割の自覚や主体的な責任意識の育成
体験活動の実施など実社会への興味・関心を持つきっかけづくり
~文部科学省 子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題から抜粋~
発達の個人差が顕著になる時期だから壁と呼ばれる所以なのでしょうか?
身体も大きく成長し、自己肯定感を持ち始める時期だからこそ、発達の個人差が出ることによって、自己に対する肯定的な意識を持てず、自尊感情の低下などにより劣等感を持ちやすくなる時期だということです。
これは17年ほど、ジュニアアスリートをサポートしてきて、またジュニアの保護者向けのセミナーでの質問や相談を聞いていると感じている事でもあります。
勉強についての小4の壁
ジュニアアスリートの保護者からのご相談でも、スポーツは熱心に頑張ってくれるけど、勉強となると全然やってくれませんなどのご相談を受けることがあります。
スポーツをしていると、土日の学校の休みの日にも練習や試合などで休みがない状態だったり、遅くまで練習をしていたりで、自宅に帰っても疲れ切って勉強ではないという子どもも多いので、少しずつでも他の子との勉強面に差が出てくるのでしょう。
他の子と同じように、塾にも通わせているかも知れませんが、塾に通っているから成績が上がる訳ではないので、保護者の方が心配し始めるのも4年生、5年生当たりなのかも知れません。
身体についての小4の壁
弊社の『レエール スポーツコンディショニングラボ』にも小学4年生、5年生ぐらいから、膝が痛い、脚が痛い、腰が痛いなどで来店してくれています。
しかもお店がある横浜市青葉区ではなく、横浜市でも違う区から、横浜市でもない神奈川県下から、または東京や千葉などの遠方からお越しいただいています。
トレーナーを始めた30年ぐらい前は、膝が痛い、腰が痛いなどで来る小学生はいませんでした。でも、ここ10年、15年ぐらい前から増えています。
小学生や中学生の膝の痛みに「オスグッド病」と言うものがありますが、昔は聞いたこともない症状名でしたが、今では小4、小5のジュニアの保護者なら知っている人も多いのではないでしょうか?
それだけ一般化しているということです。
心についての小4の壁
自己肯定感を持ち始める時期だからこそ、保護者の悩みの一つに子どもの自己肯定感が低いと感じている保護者が多いように感じています。
- 自分の自信がない
- すぐに諦める
- どうせ…が口癖
ジュニアアスリートの保護者から寄せられるご相談で多いのが上記のような内容で、どうしたらいいのかわからないということです。今までは元気に練習に行っていたのに、ミスをして指導者から怒られてから、チームメイトに笑われてから急に「練習に行きたくない!」と言いだしたりするのもこのころからかも知れません。
小4の壁を乗り越えさせるためにも
小4ぐらいから徐々に思春期に入り、体も心も大人に変化する時期になりますので、揺れ動く時期でもあります。だから今までが大丈夫であっても、何か予想もしない出来事が起きると、自分で対応することが出来なくなりバランスを崩してしまうのかも知れません。
そんな我が子を、毎日側で見ているとハラハラしている保護者の方も多いと思います。
そんなジュニアアスリートの保護者向けにセミナーを色々と開催していますが、その中でも最近は何度も言い続けていることがあります。
出来事の解釈を変える
想定外を想定内にする
これからますます子どもたちだけではなく、保護者の方に知っていただき、身につけていただきたいトレーニングがあります。
私は7年ほど前から脳の仕組みを学び、ジュニアアスリートの保護者向けのセミナーでも脳の仕組みと脳のトレーニング法をお伝えしています。
その中にも「出来事の解釈を変える脳トレ法」や「想定外を想定内にする脳トレ法」などを指導しています。
出来事の解釈を変える脳トレ法
悪い出来事は起きない方がいい!誰もがそう思い、予防するように努力をされていると思います。でも、どんなに予防をしたとしても全てが予防できる訳ではありません!
だから過去の悪いと思うような出来事も解釈を変えるだけで心のモヤモヤなどが消えたりします。
例えば「友達とケンカをして独りぼっちになった」
子どもにすると独りぼっちの寂しさは耐え切れないかも知れません。実はこれって保護者の脳の中にも、子どもの脳の中にも「独りぼっちが悪い」「友達が多いと良い」とインプットされていることが多いです。
脳は出来事にプラスして、感情や言葉も同時に脳内にインプットします。例えば独りぼっちになったという出来事に対して、寂しい、辛い、かわいそうなどの感情や言葉がインプットされます。
そこで出来事(独りぼっちになる)を予防しようとします。でも、突然、独りぼっちになった時に、脳内にあるデータが作動して「寂しい」「辛い」「かわいそう」と言う感情まで出てきます。
ここで脳トレです!
独りぼっちになって得ることは何?
確かに失うことも合えれば得るものもあります。
例えば「ひとりになる時間が増えた」「ひとりで考えることが増えた」「自分で好きなことが出来る」など独りぼっちだから得ること、出来ることもありますよね。
ちなみにですが、社会に出ると独りぼっちの経験を学生時代にするかで、成功するかしないかに分かれると思っています。
会社に入れば、こんなことを上司に言われたりしませんか?
「自分で考えろ!」
日頃、友達が多い中で学生生活を送っていると、意外にも自分で考えて行動するより、仲間が考えて行動するのに付いて行っている子がいます。そんな子が社会に出て「自分で考えろ!」と言われても、考えて来なかったから考えられない。。。自信がなくなったりします。
その点、学生時代に独りぼっちだと、「ひとりで考えろ!」と言われても「ハイ!わかりました!」と言って考えて行動する人になるかも知れません。
過去の悪い出来事を、一旦棚から降ろして、解釈を変える脳トレをしてください。
想定外を想定内にする脳トレ法
なぜ、不安になるか知っていますか?
未来が見えないから不安になるのです。
例えば先程の独りぼっちになったとします。すると脳の中に悪いと思っている解釈があるだけではなく、○○すると言う先の行動計画がないので、不安と言う感情で教えてくれます。
先に、脳の中に××になったら△△するなどとインプットしておけば、想定内になりますので、ただ単にその行動をしようって思って行動をするようになります。
例えば防災訓練がそれに値します。
火事や地震が起こった時を想定して、避難訓練などをしますよね。
これは万が一、火事や地震が起きても、こうしましょうと練習を繰り返していると、とっさに判断し、行動が出来るようになるからです。
いわゆる想定外を想定内にしている脳トレ法ですよ。
まとめ:小4の壁は乗り越えるのではなく、なくせ!
たしかに時期的に体も心も変化する時期に入るので、子どもも動揺すると思います。
でも先に、こんなことが起きたらどうしようということをノートに書きだして、その時の対応策などをまとめておけばよいのです。
その為には、まずは過去の出来事で悪いと思い出来事を、まずはノートに書きだし、その時の感情や言葉も同時に書き出してください。
その後、その出来事で得たもの、得したことなどを書き足していけば、過去の悪いと思った出来事も、悪いにではなく必要だったのだと気が付くようになります。
この2つの脳トレ法をマスターしておけば、小4の壁どころか、これからの壁全ても乗り越えるというより、壁に感じなくなりますよ。
今、ジュニアアスリートの保護者向けにセミナー活動をしていますが、詳しく知りたいなどの方は、下記の公式LINEにご登録いただければメッセージでお伝えしたり、セミナーの案内をさせていただきます。
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