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小松和代

痛みに寄り添い心を癒やす、大きな母のような公認心理師

小松和代(こまつかずよ) / 公認心理師、保健師

カウンセリングルームRAFFINE(ラフィネ)

コラム

親もまた数年前は子どもだった

2023年1月19日 公開 / 2023年1月21日更新

コラムカテゴリ:メンタル・カウンセリング

カウンセリングをしていると、摂食障害や依存症や自傷やうつや不安など、その原因の多くが不安定な愛着に由来していると痛感します。
そして、子どもと不安定な愛着を作ってしまう親には、3つのタイプがあります。
そのタイプによって起こる現象は違いますが、「無条件の愛を子どもに与えられなかった」「ありのままの子どもを愛せなかった」という点では同じです。

1つ目のタイプ

親自身がうつ病等のメンタルの病気に悩んでいたり、境界性パーソナリティ障害のように気分のブレが極端に激しいタイプ。このタイプは、虐待という現象を引き起こす可能性があります。
⇒親もまた、その親から虐待されて育った人が多いです。

2つ目のタイプ

自己愛性パーソナリティ障害のように、自己愛が強いタイプ。子どもの事を自分の自由を奪う存在のように感じたり、子どもを好きだと思えなかったり、子どもの世話をするのが苦手だったり、子どもを重荷に感じたりします。このタイプは、ネグレクトという現象を引き起こす可能性があります。
⇒冷たい親に育てられたり、やはり親もまた、その親からネグレクトされて育った人が多いです。

3つ目のタイプ

とても献身的で一見立派な親とみられるタイプ。
大変真面目で「こうすべきである」という思いが強いです。それゆえ、親自身の思いばかりにとらわれ、子どもの思いを汲み取れません。【我が子が何を感じ、何を求め、何を嫌がっているのか】という視点ではなく【将来のために、本人のために、世間体のために】という視点で子どもを動かそうとします。そこには、「親は子どもよりもより良い方法や正しい事を知っているのだから当然だ」という、親の価値観があります。子どもをありのままに受け入れられないのです。このタイプは、子どもを心理的に支配する、という現象を引き起こす可能性があります。
⇒一見、大事に育てられたように見えるけれど、実は親の思いを一方的に押し付けられて育った人が多いです。いわゆる親の考える「良い子」として生きる事で、認められてきた人です。


このように書くと「不調を抱えたのは親が悪いんじゃないか!」と思ってしまいます。
ただ、元をたどれば親も何年か前までは子どもだったのです。その子ども時代が不安定な愛着だったので、親自身に【子どもの安全基地になる能力】とか、子どもの立場で気持ちを感じ取る【共感性】が育っていないのです。そして、その課題が解決されないまま親になり、自分の子育てに直面した時に課題が表に出てきて、我が子との関係に置き換わったのですね。そういう意味では「親も必死で生きてこられたんだろうな…」と、憂えずにはいられません。

我が子の不調が、自分の愛着の課題に由来すると気付いていない親も多いので、子どもに何が起こっているのか理解出来ず、親自身もどうしたら良いか分からず、手を焼き、怒り、嘆き、叱り続けてしまい、親自身が苦しんでいるケースも少なくありません。
そこで何とかしたいと、親自身がカウンセリングにいらっしゃる場合もあります。そうすると、自分の課題に気付く事ができ、その課題に本気で向き合い、我が子と共に努力をする、という事が出来ます。ですがこれは幸運なケースです。

「自分は悪くない」と、親がとりあってくれなかったり、既に親が亡くなってしまっていたり、「いまさら親に言えない…」という方もいらっしゃるでしょう。
そんな時、自分を傷付けた親をいつまでも非難して責任を負わせていると、親に囚われて人生はそこに留まってしまいます。
自分の力だけでは歩けない状態から「自分で立ち上がろう。そして痛みを乗り越えて歩いていこう。」という、本人の決意が大事なのです。そう決意した瞬間に、親からの解放が始まり克服への一歩を踏み出します。

ですが、歩けない人にいきなり「さあ立って歩きなさい!」と叱咤しても、本人にとっては無理な相談です。リハビリやトレーニングのように、気力や忍耐力も維持していかなくてはなりません。自分の力で歩けるようになるまで、最初はつかまるための手すりや歩行器、そして、転びそうになった時に支えてくれる誰かの手や励ましの言葉が必要です。これは、いざという時に安心して頼る事の出来る場所=安全基地という存在です。その役目をカウンセラーが担います。

参考文献
【知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス】厚生労働省
【死に至る病】岡田尊司 著

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