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山崎宏

シニアの生涯主役人生を全面支援する濱の老い先案内人

山崎宏(やまざきひろし) / 終活コンサルタント

百寿グループ(株式会社百寿研 、百寿コンシェルジュ協会、NPO二十四の瞳)

コラム

「終活適齢期は50歳」の理由(ワケ)

2021年11月21日

テーマ:終活

コラムカテゴリ:くらし

コラムキーワード: 相続問題社会福祉士エンディングノート

ストレートに言うのはなかなか憚られるのですが……。老親とはリスクです。そして、このリスクは、必ずやってきます。多くの老親世代(70~80代)が望むPPK(ピンピンコロリ)ですが、現実には誰かの介助を受けながら最期に至るケースがほとんどです。子ども側(40~50代)にしてみれば、しっかりそなえた上であっという間に逝ってくれる親こそが、(長い目で見れば)サイコーの親です。逆に、そなえぬままに介護状態が長期化すれば、サイテーの親ということになります。死んでからも感謝される親、いや、生きているうちから感謝される親になるために、何かいい方法はないものでしょうか・・・。

親のまさかは子のまさか

老親問題は誰の身にも100%起こりますが、キチンと対策を講じておく人はほとんどいません。仕事では当然のようにリスクヘッジをする人でも、老親のことは見てみぬフリをして先送りしてしまうようなところがあります。そして、ある日突然、事は起きるのです。

でも、当事者たる親側はまだいいのです。多くの場合、本人はもうわからないわけですからね。困るのは後のことをしなければならない子どもの側です。親がそなえぬままに「まさか」が起こったとしたら、不便や不利益を被るのは子どものほうです。例え絶縁状態にあったとしても、親子の縁は死んでも切れません。仕事や家庭のことでてんてこ舞いしているさなか、突然厄介なことが起きるのです。親のことを厄介などというと不謹慎かもしれませんが、現実には、本当に面倒臭い・・・。これが真実です。

終活適齢期は50代から

人間50歳ともなれば、明日の朝、今日と同じように元気に目覚める保証はありません。一瞬先は認知症。一瞬先は感染症。一瞬先は寝たきりです。十の位を四捨五入して100歳になるみなさんは、老い先のことで子どもたちに負担をかけたくないのであれば、即刻そなえるべきです。遅くとも、後期高齢者(75歳)になるまでには段取りを終えておくことをお奨めします。これは親世代さいごの大仕事です。

残念ながら親がそなえていなそうであれば、老親問題で大変な目に遭わなくて済むように、早い段階から親をそなえさせるように誘っていく必要があります。親子は一蓮托生なのです。だから、エンディングまでに想定される諸課題ごとに、親子で具体的な段取りについて共有しておかねばなりません。

できればその際には、現役世代のみなさんも、一緒にそなえるようにしてください。終活を通じて親子での会話や共有する時間が増えたとすれば、これはとても価値のあることです。兄弟姉妹がいる場合には、他の誰よりも早く、親に声かけすることをお奨めします。近い未来、そうすることが結局はあなたをハッピーにしてくれるとだけ言っておきます。

たった10の質問に答えるだけ!老親リスク診断

問題意識を高めるために、試しに以下の質問のうち何個くらい「YES」と回答できるか考えてみてください。老親リスクのスコア化だけでなく、老親の何を知っておくべきなのか、親に何を準備してもらえばいいのかがおわかりいただけると思います。実際には全20問で構成されていますが、老親リスク診断の完全版&診断ガイドも必要という場合には、記事の最後に記載のアドレスまでご一報ください。

【診断項目】

□兄弟姉妹がいない(一人っ子である)
□最低、月に一度は親と会話している(電話、メール、LINEでも可)
□親がエンディングノートあるいは遺言を書いているかどうか知っている
□認知症対策として任意後見を検討しているかどうか知っている
□介護施設に入る場合の予算と、譲れない条件を知っている
□看取りと葬儀についての要望を知っている
□親のキャッシュカードの暗証番号を知っている
□実家の土地及び家屋の固定資産税評価額を知っている
□生命保険の契約内容を把握している
□非嫡出子や特別な異性の存在の有無を把握している

【診断結果】

9点以上・・・老親リスクは低いです。兄弟姉妹がいる場合、先駆けて老後支援を申し出ましょう!
7点以上・・・折り合いの悪い兄弟姉妹がいなければ大丈夫そう。親との接触頻度を高めましょう。
5点以上・・・標準的な老親リスクです。兄弟姉妹がいる場合は要注意!まずは親と向き合いましょう。
3点以上・・・老親リスク大です。親との心理的距離を縮めつつ、早急に手を打つ必要があります。              
3点未満・・・超危険!争族等で不利益を被る可能性大です。即、対策を講じてください!
   

よくある終活の履き違え

老親世代が陥りやすい終活の落とし穴について、特に重要なモノだけ触れておきましょう。

・エンディングノートを一生懸命したためて、その内容を子どもと共有することなく、後生大事に保管したまま逝ってしまう。
・親が葬儀の生前予約をしていた事実を知らず、遺族が別途葬儀を手配してしまう。
・預金の全貌はおろか、キャッシュカードの暗証番号さえも秘密裏にしたまま、親が認知症になってしまう。

こんなコントのような稚拙な失敗も多々見受けますが、笑い話では済まないのが、遺言と任意後見人に関することです。いずれも銀行と法律事務所が重点的に販売しているサービスです。その暖簾に対する根拠なき信用ゆえに、深く考えず、わが子に相談もせずに、盲従的に契約してしまう人たちが一定の割合でいるものです。これはとても残念なことです。

遺言を書くから争族が起きる

遺言をしたためた場合、子どもが複数いれば、争族とまではいかないまでも、必ず兄弟姉妹関係は悪化します。それを望まないのであれば、遺言相続という財産承継法はお奨めしません。というのも、親が亡くなった後で遺言が出てくると、相続者たちの心に確実に火種が起きるからです。仮に均等分けと記載されていれば、親のことをいちばんサポーとしたという自負のある子どもは面白いはずがありません。特定の子どもの分け前を多くしたとすれば、金額の少なかった側は「なぜだ」となるのが当然だからです。

そもそも、なぜ自分が死ぬまで財産の分け方を伏せておくのか。なぜ、誰がいくら受け取るのかを相続人全員に開陳する必要があるのか。私には理解できません。子どもたちそれぞれと個別に対話して、とくに多く引き継がせたい子どもには、贈与税に配慮しながら、早いうちからこまめに先渡ししてしまえばいいのです。そうすることで、いざという時には見かけ上は均等分けになるように、前倒しでアクションをとるべきです。それでこそ、多く受け取る子どもには、感謝はもちろん、親の老後を支えようという覚悟が定まるというものです。

子まで監督されて報酬までとられ続ける悪夢のような後見制度

任意後見については、「娘や息子を指定しておけば認知症になっても安心」などという戯言を真に受けてはなりません。いざ判断能力が損なわれたときには、家庭裁判所から選任された監督人に娘や息子が管理される羽目になるだけの話です。加えて、ひとたび後見制度を利用してしまったら、いくら異議を唱えようがクーリングオフできないのが後見制度の厄介なところです。

信じられない話ですが、巷の終活セミナーに潜入してみると、ほとんどの主催者がこうした任意後見制度のデメリットについて言及していません。見学者が質問しない限り不都合な真実を伝えない老人ホームの世界とまったく同じです。にもかかわらず、キチンとした理解もないままに、わが子に相談するでもなく、終活セミナー主催者にいいようにされてしまう。それが老いるということなのかもしれませんね。

終活を通じて親子の絆を再構築しよう

現役世代のみなさんは、老親問題で不利益を被らぬようリスクヘッジしておかねばなりません。老親と一緒になって、エンディングまでの想定課題毎にビジョンを描き、加えて誰に何を依頼し、そのための財源を明確にして、託したいわが子にどんどん渡してしまうことです。方法はいくらでもあります。わが子や孫の生活資金や教育資金には贈与税は一切かかりません。結婚資金や住宅資金も実質的に非課税です。おカネに余裕があれば、政治家や芸能人がよくやっている使用貸借(わが子のために親名義でマイホームを購入し、そのまま子ども世帯に住まわせる究極の財産承継術)も賢い選択です。

終活のパートナーは、商売至上主義の銀行や法律家ではありません。相続者間に紛争性があるなどのイレギュラー・ケースを除いては、これはという子どもを選んだ上で、親子間で完結すべきです。もしもどうしても遺言や任意後見に執着があるのなら、コンタクトすべきは公証役場です。そうすればムダな報酬は一切取られなくて済みますからね。

まさかは必ずやってくる

まとめます。老親問題というリスクは必ずやってきます。なのに、どうしてそなえないのですか?
まずは親子で向き合うことです。親世代さいごの大仕事です。子どもの側からは切り出しづらいという声もよく耳にします。親子間の心の距離の縮め方については、またの機会に書いてみるつもりです。

私どもでは、法律や制度や契約ありきではなく、親子の絆を根拠にした終活を推奨し、実践指導しています。関心ある方は、老親世代・現役世代を問わず、お気軽にご一報ください。老親世代と現役世代(親と子)双方がWin-Winとなる老い先へのそなえをお手伝いさせていただきますので。

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