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山崎宏

シニアの生涯主役人生を全面支援する濱の老い先案内人

山崎宏(やまざきひろし) / 終活コンサルタント

百寿グループ(株式会社百寿研 、百寿コンシェルジュ協会、NPO二十四の瞳)

コラム

終活の履き違えが晩節を穢す

2021年7月29日

テーマ:終活

コラムカテゴリ:くらし

コラムキーワード: 終活 いつから財産分与相続対策

そなえない人たちの話を聴くと、そこには大きくふたつの理由があることがわかります。

ひとつは、「うちは大丈夫」という根拠なき超楽天思考です。踏み込んでみると、だいたいこんな言葉が出てきます。
「うちは子どもたちがみんな仲がいいから」・「うちは大したおカネもないから」・「すでに子どもたちに頼んであるから」・・・の3つです。

いずれも、華麗なる誤解です。子どもたちは、幼かったころの兄弟姉妹ではありません。配偶者の存在がそれに拍車をかけます。人は誰しも結婚すると、血を分けた兄弟姉妹よりも、配偶者に従います。毎日顔を合わせる配偶者の意に沿わないことをして、チクチクと文句を言われるのが苦痛だからです。

子どもたちに老後のサポートを頼んだつもりになっている親が結構います。でも、よくよく聞いてみると、何かの折に作業を口頭で頼んだだけです。おまけに、頼んだ作業に係るおカネを渡してもいません。もちろん、トータルでどれくらいの財産を引き継ぐつもりなのかも伝えていません。虫のいい話です。仕事やら家事やら子どものことで超多忙な現役世代にとって、こんなに迷惑な話はありません。親子と言えども、ギブ・アンド・テイクです。おカネの話を抜きにしてあれやこれやとお願いばかりしていると、老老地獄に落ちかねません。

親がいつまでもおカネに執着して抱え込んだまま逝ってしまうと、子どもたちをはじめとする相続権者全員で遺産分割協議というのを行わなければなりません。全員が納得するまで、一円たりとも親名義の預金口座からおカネを引き出すことができないのです。それなりの年齢になって、配偶者と子どもがいて、住宅ローンや学費も嵩んで…となると、なかなか全員が納得するまでには時間を要するものです。

子どもたちの争族。これは、親の財産が少ないほど現実のものとなります。具体的には、1,000万円程度の財産しかない場合に、骨肉の争いがよく起こります。おカネがないから心配ないという考え方には、何の根拠もありません。むしろ、おカネがわずかしかないから、兄弟姉妹よりも一円でも多く確保したいとなるわけです。

さて、もうひとつのタイプは、「そなえかたを誤っている」人たちです。そなえることの大切さを理解しながらも、実際問題として何をどうしていいのかがわからない。そして、そなえかたがわからないままに、わかろうともせぬまま漫然と日々を過ごし、偶然目にした終活セミナーに申し込む…。そんなパターンがとても多いです。

前のほうでも触れましたが、巷では終活セミナーが花盛りです。でも、潜入してみると、そこでは主催者が虎視眈々と年寄りの財布を狙っています。遺言、家族信託、老後の資産運用、任意後見制度、葬儀の積立。どれも老い支度の枝葉でしかありません。加えて、イレギュラーな親子関係を想定したサービスありきになっていることに違和感を覚えます。取り組むべき優先順位がちがっているのです。それでも一定数のおバカな人たちは盲従して契約して老い先にそなえたように勘違いしたまま、結果的に子どもたちに不便や不利益をもたらすのです。

終活とは、老後にそなえるとは、「点」ではありません。「線」であり、子どもたちの人生にまで影響をもたらすという意味では「面」で考えるべきものです。はじめの一歩は、エンディングに向けてのあなたの想いを、あなた自身の言葉でお子さんたちに伝え、その上でサポートを依頼することです。最低限、それに必要なおカネを手渡しながら、です。
この大鉄則を履き違えると、とんでもないことになります。かけがえのないお子さんたちが大変な目に遭うことになります。エンディングを迎えるまでにキッチリとそなえておくことは、他でもない親の責務です。往生際の美学を体現してほしいものです。

付け加えるならば、正しい終活すなわち、老後のリスク管理については、2つの視点で考えるようにします。ひとつは、まさかが起きてもいいようにそなえておくことです。もうひとつは、まさかが起きるタイミングを少しでも先送りできるようにそなえること。言い換えれば、「保険」と「予防」です。

まさかが起きてもいいようにそなえる。言い換えれば、まさかが起きても、子どもたちの負担が最小限になるように段取りをしておく。これは、前述した老後の八大課題ごとに、「どうしたいのか・だれに頼むのか・おカネをどうするのか」を決めて、書いて、伝えて、頼んで、(おカネを)渡してしまうことです。

【関連動画】



こうして足元を盤石にした上で、まさかが起きるタイミングを先送りするのです。認知症・感染症・がん(生活習慣病)にならないようなライフスタイルを実践する。ひとことで言えば、免疫力を高める工夫をするということです。


終活とは、遺言、家族信託、老後の資産運用、任意後見制度、葬儀の予約や積立・・・といった断片的なモノではありません。そして、銀行やら法律家やら葬儀屋やらと関わるより以前に向き合うべき相手がいます。まずは自分自身。そして、自分の老後を託したいわが子です。何かしらの事情でそれが叶わない場合に限って、第三者のサポートやアドバイスを求めれば済む話です。この点を間違えないようにしてください。

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