マイベストプロ神奈川
小川文子

大手都市銀行や外資系資産運用会社等の金融出身の女性弁護士

小川文子(おがわふみこ) / 弁護士

恵富総合法律事務所/コンサルタント

コラム

おひとり女子の終活

2020年1月31日

テーマ:おひとり女性のための提案

コラムカテゴリ:法律関連

相続関係でよく法律相談を受けるのが、使途不明金についてです。
例えば、先日、生涯独身の兄弟(Xとします)が亡くなった。晩年は、Xの兄弟の一人(Yとします)がお金の管理をしていたが、いざ、相続段階で内容を見ると使途不明金があるようだ。何とか、Yが使いこんだお金を相続財産に取り戻したいという相談を受けました。

相談者様は、被相続人の預金通帳の写しを見せ、その中で、Yが説明できない出金がこれだけあると私に説明しました。それは、数年前の1回の出金額が2、3千円のものも含まれていました。
このご相談については、さすがに「数年前に数千円を出金したとしても、それをすべて覚えているのは難しいのではないでしょうか。例えば、被相続人が入院していたのであれば、Yがお見舞いに行ったときに、ジュースやお菓子を買うために出金したかもしれないですよね。」と意見を述べました。子供が法定相続人の場合も、相続は争う族だけれど、兄弟姉妹の場合は、さらに、争いが増えるような気がします。

この事例を逆に考えると、お一人様(Aとします)が晩年、足腰が弱ったりして、自分で銀行等に行けないときに、お金の管理を兄弟や知人(Zとします)に託すこともあるかと思います。お金の管理を託すということは、Aが信頼している人でしょうし、託す側としては、お金の管理で負担をかけるのに、自分が亡くなった後に、そのことで相続人からあれこれ言われるのは、あまりに申し訳ないと思うでしょう。
そんな場合の対応としては、まず、家族信託で、自分の将来の生活資金を信託し、Zを受託者とする方法があります。さらに、弁護士等の専門職を信託財産監督人とすれば、チェック機能が働き、受託者が不正をすることを防ぐ体制になりますので、Zが相続人からあれこれ言われるリスクはかなり低減します。ただ、これは、費用がかかります。
あるいは、財産管理契約と任意後見契約を締結することも考えられますが、多くの場合、これらの契約の相手は弁護士等専門職がなるので、この場合やはり費用がかかります。
費用をなるべくかけずに、対応したいというのであれば、遺言書を作成し、「Zは、私が信頼して、お金の管理を任せたのだから、どうか、私の死後は、他の相続人もZを信頼し、争いごとのないようにしてほしい」という趣旨の付言事項を記載するのも一方です。ただ、付言事項は法的効力を持ちません。また、Aが、遺言書を書いた後に、認知症になった場合、それまでは誠実にお金の管理をしていたZが実際に私的にAのお金を流用してしまう可能性は否定できません。そんな場合にまで、Zを信頼してほしいというのは、Aの本意ではないはずです。

いずれの方法も、完璧なものはありません。しかし、お一人様は、このような自分の死後の争いの芽を少しでも摘んでおく方法を、今から考えておいた方がよいかもしれません。

この記事を書いたプロ

小川文子

大手都市銀行や外資系資産運用会社等の金融出身の女性弁護士

小川文子(恵富総合法律事務所/コンサルタント)

Share
関連するコラム

小川文子プロへの
お問い合わせ

マイベストプロを見た
と言うとスムーズです

お電話での
お問い合わせ
044-522-7702

 

時間外も予約があれば対応可能

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

小川文子

恵富総合法律事務所/コンサルタント

担当小川文子(おがわふみこ)

地図・アクセス

小川文子プロのコンテンツ