地域と中小企業の活性化のための包括的な支援を行う税理士として（2/3）

今最も支えるべきは若い経営者のやる気

　志布志に帰り開業した海江田さんは、まず地元の経営者とコミュニケーションをはかることから始めました。東京でマーケティングリサーチや分析を行ってきた海江田さんにとって、それまでの経営方法では、経営状態が上向きになるとは到底思えなかったのです。「このままではいけない」という思いから、東京で学んだ経験を基に様々な支援策を説き続けましたが、返ってくるのは「新参者に何がわかる」「田舎のことを何も知らないくせに」という厳しい答えだったといいます。なかなか受け入れてもらえない現状にもくじけずくり返し説明を続けました。やがて後継者へ世代交代する時期を迎え、海江田さんの考え方を支持してくれる若い人たちが増えていきました。親世代との経営方針とのギャップに悩む後継者を支え応援することが使命と考えたそうです。その後、マーケティングの本も出版（写真参照「小さな会社のマーケティング活用術」）し、時代に即した考え方、戦略の立て方、マーケティングの実践論などについて訴えたのです。「若い世代が腐れば日本経済は終わる。だから若い世代こそ支えていかなければいけないんです。」と語る海江田さんの言葉には、力強い信念を感じました。そしてそこでは、東京のビジネスに身に着けた「先のニーズを読み取り、的確に事業を仕掛けていく」という経営戦略が根本にあるのです。

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