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時任真幸

アスレティックトレーナーとしてスポーツを支えるプロ

時任真幸(ときとうまさき)

神村学園専修学校

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コラム

肉離れの応急処置のポイントは受傷後すぐのアイシング

【概要】
肉離れは,スポーツ競技中,止まっている状態から急に走る,ジャンプするといった動きをした時に筋線維が損傷することで起こります。
肉離れは筋組織からの出血がみられるため,それを抑えるため患部を冷やすことが応急処置の最優先事項です。

肉離れ1

スポーツ時に多い肉離れとは


肉離れとは,スポーツ動作中に競技者が受けた経験に基づいてつけられた呼び名であり,「急に筋肉が切れたように感じるとともに,脱力や痛みを伴う状態」のことをいいます。つまり,筋肉を急に動かした時に筋膜や筋線維の一部が損傷することをいいます。
日常生活よりもスポーツ競技で発症しやすい障害です。

肉離れが起こりやすいケースは,陸上競技でスタートダッシュを行った時,疾走中の脚の振り出しの時,野球でバッターがベースランニングを行っている時,バレーボールでスパイクをするためにジャンプをした時,サッカーでジャンプからの着地した時などに多く見られます。
テニスや卓球などでも,試合が長時間にわたり筋肉疲労が蓄積した状態で,コートを左右に切りかえして動く動作中に肉離れを起こすことがよくあります。

肉離れが起こりやすい部位は,ハムストリングスと呼ばれるいわゆるもも裏が一番多く,次いで下腿三頭筋(ふくらはぎ),大腿四頭筋(前もも)の順で多いと言われています。
これら部位は,スポーツだけでなく日常生活でもとても重要な役割をする筋肉なので,応急処置から治療,再発防止にいたるまで細かなケアが必要です。

肉離れの応急処置は炎症の抑制が最優先


その症状は痛みや腫れが主なものですが,足の肉離れの場合は自力歩行ができるかどうかでその症状を3段階に分けて診断しています。

軽症の場合は,筋肉に小規模の断裂はあるものの,痛みや炎症症状としての腫れは軽く,自力歩行が可能です。
中程度の症状は,筋線維の一部断裂が見られ,筋膜が損傷し,皮下内出血がみられ自力歩行がやや困難な状態です。
重症は,筋線維の部分断裂が深いか完全断裂で,触診で筋肉の陥没が確認できます。
痛みも激しく歩行は不可能な状況です。

肉離れにおける診断や回復度合いは判断が大変難しいため,自分で判断したりトレーナーに任せることなく,医療機関で適切な診断を受けましょう。これが競技復帰への近道です。

肉離れでは,どの症状の段階においても筋肉細胞が断裂をしているため,大量の内出血をしています。
このため,出血を抑えるためのアイシングを最優先に応急処置を行います。

肉離れの止血処置方法はとにかく冷やすこと


肉離れをおこした部位は,内出血や炎症が起きます。外傷後に炎症が起きるのは正常な生体反応ですが,炎症を放置しておくと,筋肉周囲の組織が低酸素状態に陥り,また炎症過程で産生される細胞を消化する酵素が広がり,筋肉周囲の組織が二次的にダメージを受けてしまいます。

アイシングを行い,血管を冷やすことで一時的に筋肉周囲組織の代謝を低下させ,一次的血管収縮により筋血流量を抑えることで炎症症状を軽減させます。
また,毛細血管の透過性を抑えることで腫れを軽減させ,神経活動を低下させることで痛みを和らげます。

冷やすというと,冷シップをすればいいのかと思いますが,それよりも効果的なのは冷たい水に直接患部を浸すことです。
ひざ下の肉離れなら,氷水のバケツに足を浸す方法が効果的です。
患部を水に浸せない時は,ビニール袋に氷水を入れて患部にあてます。
一番有用なのはアイスパックを常備しておけば,応急処置にとても役立ちます。

アイシング

ここでもRICE処置が有効なことがよくわかりますので,復習しておきましょう!

留意点として,治療中は患部が見えなくなりますので,皮膚の状態を適宜チェックする必要があります。特に,ハムストリングスは自分ではチェックしにくい部分になりますので,トレーナーやチームメートの協力を仰ぎましょう。
また,弾性包帯による圧迫を加える場合には,圧迫による血行障害に注意し,時間が長くなりすぎないよう15分~20分の冷却時間としましょう!

肉離れのリハビリテーションは,炎症症状の急性期が落ち着いてからの開始となります。
これは,筋の痛みが落ち着きストレッチ感覚が出てからとなります。
先程お話ししたように,肉離れの診断は大変難しく特に中等度(Ⅱ度)と重度(Ⅲ度)の判断は大変難しいといわれています。場合によっては超音波やMRIなどの診断も必要になります。
リハビリテーションも重症度によって異なります。クセになってしまうと競技生活が短くなってしまう可能性もあるため,医療機関の受診と適切な対応が必要だとお伝えしておきます。

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