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時任真幸

アスレティックトレーナーとしてスポーツを支えるプロ

時任真幸(ときとうまさき)

神村学園専修学校

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コラム

アスレティックリハビリテーションとは?目的はスポーツ選手の競技復帰

みなさん,こんにちは。九州鹿児島もすっかり寒くなってきました。急な気温の変化で体調を悪くしている方も多いようです。みなさんもお身体にお気をつけください。
さて,本日は昨日に引き続き,アスレティックリハビリテーションについてお話しします。

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【概要】
アスレティックリハビリテーションは,ケガからの回復とスポーツ復帰を目的として行うものです。スポーツ活動やレベルの多様化に伴い,アスレティックリハビリテーションの対象者やニーズは拡大しています。
ケガのケアだけでなく筋力トレーニングやテーピング,フォームチェックなど再発防止も視野に入れ,競技への早期復帰を目指します。

【本文】

アスレティックリハビリテーションとは


アスレティックリハビリテーションとは,アスリートなどのスポーツ選手だけでなく,スポーツ活動を行う様々なレベルの方がケガをした時,その治療をしながら同時に競技やレクリェーション活動への早期復帰ができるようにリハビリテーションを行うことです。

従来の医学的リハビリテーションと違う点は,日常生活や社会復帰がゴールであるのに対し,アスレティックリハビリテーションでは,あくまでもスポーツ活動の再開が可能となるような高いレベルでの身体機能の獲得が求められる点です。

ケガの回復途上であっても,患部以外の正常な部分については積極的にトレーニングを行い,筋力・筋持久力・全身持久力・瞬発力などの維持,回復向上に努めること。また,スポーツ動作の問題に関係してしまう機能的な問題に対しても,その改善のためのエクササイズをより早期から組み込んでおく必要があります。

その内容は,スポーツの種類や選手のケガの状況によりアスレティックトレーナーが医師や理学療法士と相談の上決定し,選手とコミュニケーションを取りながら進めていきます。特に,スポーツの種類,すなわち競技特性については深く理解している必要があり,①競技特性に応じた専門体力を重点的に強化する。②競技特有の動作の習得を心がける必要があります。
私は,長い期間ハンドボールのトレーナーとして選手に関わってきましたが,専門体力としては15分の休憩を挟んで60分間フルに動ける体力が必要ですが,瞬発力が最優先される競技でもあります。スポーツ動作としてはラン,ダッシュ,ストップ,ジャンプ,着地,コンタクト,プッシュ力,スローイング,シュートなど様々な特有動作があります。これらを一つずつ分析し,パフォーマンス向上と再発予防に選手と一緒に考えながら取り組むことが大切であり,難しくもあり,苦しいですが,復帰後の活躍はアスレティックトレーナーにとっても最高の喜びです!

早期復帰を目指すとは言え,決して患者に苦痛を与えることのないように進めていくのがアスレティックリハビリテーションです。そこは,身体機能の回復に応じて医師や理学療法士と連携を取りながら段階的リハビリテーションを進行させましょう!

アスレティックリハビリテーションのリハビリメニュー


足関節テーピング2


アスレティックリハビリテーションでは,ケガの回復と競技への早期復帰を並行して進めていくことから,その内容も競技を意識したものが多くなっています。

その段階は大きく5つに分けて考えられています。

第1,第2段階では,競技にかかわらず患部の回復を最優先させるアイシングや関節可動域改善のための練習やストレッチング,筋萎縮改善のための物理療法などを中心に行います。
また患部外トレーニングを行って競技者の体力低下を防いでいきますが,第3段階ぐらいからジョギングやフリーウエイトマシンによるトレーニングなどを始めて持久力や筋力をつけるトレーニングが始まっていきます。

この時に,競技でケガを再びしないような動きを取り入れたランニングやステップなども練習し,フォームチェックも行います。この時に重要なのは,発生転機となったプレイを導入する前に,外傷・障害部位への負荷を軽減させうる動作改善練習を徹底し,安全なスポーツ動作を習得する必要があります。時期はこの時しかありませんので,選手に徹底して指導する必要があります。

第4段階にまで進むと,実際の競技動作をシュミレーションしてトレーニングを行っていきます。
この段階では,アスレティックリハビリテーションを開始した当初の回復目標数値に達しているかどうかを確認します。
50m走や12分間走などの記録を確認し,現場復帰ができるかどうかの判断をします。
これだけではありません。先程,「競技特性に応じて」と申したように例えばサッカーで言えば,まず,「ボール無しチェック」として,①走る②ステップ③ジャンプ④1対1などを徹底してチェックします。次に,「ボール有りチェック」として特有のボールキックがあります。それには①インサイドキック②インステップキック③インフロントキック④アウトサイドキックなどがあり,またショート・ミドル・ロングなどやセンターリング・シュート・フリーキックなど種類に応じて体の使い方を習得させなければなりません。
そのために患部の機能的安定性の見極めと専門体力の獲得および危険動作からの脱却が獲得できるアスレティックリハビリテーションメニューを組むことが求められます。

第5段階は再発予防を意識したトレーニングであるが,これはスポーツを行う限りずっと続くこと,そして身体の変化に応じてリスク管理を変化させる柔軟性と適応力がひつようです。

サッカー1


忘れてはいけないアスレティックリハビリテーションの必須項目


このようにアスレティックリハビリテーションのメニューは,段階別にトレーニング目標が明確となっているため,選手にとってもいつ復帰できるのかということがとても把握しやすく,現場復帰へのモチベーションが保ちやすい工夫がされています。

ただしケガをした選手は同時に精神的ダメージも受けているため,そのケアもかかせません。
ケガから復帰までの長いリハビリテーションの期間において選手はその回復レベルを過大もしくは過少に評価して,トレーナーなどの治療者との感覚が乖離(かいり:かけはなれてしまうこと)することがよくあります。また,選手・監督などの指導者・トレーナーの3者に意見が食い違ったり,すれ違ってしまうと問題が大きくなり,思うような到達レベルに復帰できません。
時には,ケガが怖くて以前と同じようなプレイができなくなっていることもあります。
そんな時は,無理をせずに選手の気持ちに寄り添いコミュニケーションをとりながら,選手を勇気づけて元気にさせるのもアスレティックトレーナーの大切な役割となります。

この記事を書いたプロ

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