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山口雅史

人生100年時代の家計をサポートするお金のプロ

山口雅史(やまぐちまさふみ) / ファイナンシャル・プランナー(FP)

株式会社エフ・ポート

コラム

急落に備えるETF活用法

2020年3月29日 公開 / 2020年3月30日更新

コラムカテゴリ:お金・保険

 新型コロナウイルス感染拡大で日経平均株価は大きく下落しました。「コロナ・ショック」と呼ばれ始めた今回の下落は、2月半ばからの1か月間で約7,500円(下落率31.5%)の大幅下落を演じました。足元では株価は上昇していますが、自律反発の域に留まっています。大きくマイナスとなった一般投資家は多いと思われます。一方で、ブル・ベア型ファンドやETFの売買が活況となっています。2019年12月からネット証券各社が投資信託の販売手数料を一律無料としたこともあり注目を集めています。これらのファンドは高レバレッジにより投資対象指数の数倍の値動きとなるため、ハイリスク・ハイリターンの商品で一定程度の知識や経験が必要と言えます。
 昨年末までの株式は徐々に値上がりを続けていました。しかし、「上げ続ける相場はない」のです。そのため常に急落に備えておく必要がありますが、それがどのタイミングで起こるのかはわかりません。そのため急落に対する備えには鈍感になりがちです。
 米NYダウが過去最大の2997ドル安となった3月16日、VIX指数は急上昇して一時83.56とリーマン・ショック時以来の高値をつけました。「VIX指数」はVolatility(変動率)Index(指数)の略で、米主要株価指数S&P500種株価指数がどれだけ変動するかを数値化しています。例えば、VIXが20であれば、S&P500が今後現在の値段から70%の確率で年率20%(1か月後の予想変動率は±5.78%)、上下いずれかに動く可能性があることを意味します。変動率は一般にマーケットの不安心理が高まると上昇します。不安心理が高まるのは相場の下落局面が多いため、株価急落時に数値が高くなることが多いとされ、このためVIX指数は「恐怖指数」と呼ばれています。



 S&P500とVIX指数が反比例の動きとなっていることがわかります。日本にも「日経平均ボラティリティ・インデックス(日経VI)」が存在し、基本的な仕組みはVIXと同じです。VIX指数が注目され始めたのは2018年2月の株価急落でした。「VIXショック」と呼ばれているこの急落は、「リスクパリティ戦略」と呼ばれる近年流行となっている投資戦略が原因とされています。この戦略はVIX指数が上昇すると保有している資産、特に株式などのリスク資産を売却し高リスクを回避する方法です。多くの投資家が同じ戦略に沿って一斉に同じ動きをすれば、マーケットは一方方向に動きやすくなります。そのため、株価が下落する可能性は高くなります。

VIX指数に連動したETF

 このVIX指数に連動したETF(上場投資信託)があります。「VIX短期先物指数(1552)」というETFです。同商品は、『米ドルベースの「S&P500VIX短期先物指数」を円換算した対象株価指数に連動する投資成果を目的としたETF』(東証公式ETF・ETN名鑑より)となっています。VIX指数が上昇すると市場価格が上昇する設計となっています。下図は2018年からの同商品の推移(週足)となります。



 2020年3月27日のVIX短期先物指数は1口=16,910円。同銘柄は1口から売買できますが、手数料には注意が必要です。当社では2019年3月(当社HPにコラムとしてアップ)より同銘柄の積立または定期購入を勧めています。当時はVIXショック後でいつ急落するかわからない状況でしたので、長期・積立で対応する手法を提案したのです。急落に対するリスクヘッジが目的となりますので同銘柄の一括投資による大量保有は勧めません。
 2019年3月から今回の新型コロナウイルス発生した2020年2月まで毎月最終営業日終値で1口ずつ購入したと仮定した場合(手数料・税金等は考慮していません)、保有口数は12口・購入総金額は95,160円となりました。3月27日終値で保有口数全部を売却したとすると202,920円(収益107,760円、収益率113.2%)となります。



 今回のような大幅急落は十数年に一度かも知れませんが、ミニクラッシュ的な急落は2~3年に一度の割合で起きると思われます。今回の新型コロナウイルス時に活用する機会は失われましたが、将来的に、また、想像以上にリスクの高いブル・ベア型ファンドを利用しなくてもできる「急落に備える有効な手法の一つ」として活用できるのではないかと考えます。
なお、このコラムは情報提供のために作成されたもので、その正確性や収益性を保証するものではありません。投資の判断に使用する際はご自身の判断と責任でお願いします。

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