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寺澤悟

「空気設計」で住人の健康を大切にする家づくりのプロ

寺澤悟(てらさわさとる)

株式会社 拓三建設

コラム

快適な住居環境は気密性能で決まる。

床暖房のいらない家

2017年10月7日 / 2017年11月3日更新

快適な住居環境は気密性能で決まる。


快適な住居環境というと立地条件、間取り、冬暖かく夏涼しくなどなど、様々な要素が関わって来ると思われますが、気密性能が関わる快適性について話したいと思います。

断熱性能と気密性能関係  快適ポイント①光熱費がお得になる。


断熱性能はQ値やUA値といった指標で示され単位はW/㎡kで表記され数字が小さいほど断熱の性能は良いことになります。しかし、この指標は住宅に隙間が無いことを前提としています。全く隙間のない住宅を作るのはほぼ不可能です。ここでは隙間を断熱材の厚さの減少分に置き換えて見てみましょう。Q値・UA値とは

計算条件
40坪総2階、窓率20%、外壁面積は150.5㎡、外気温度0℃、室内温度20℃、外部風速2m/s、断熱材はグラスウール16Kを100ミリとする。(内外温度差と外部風速で逃げる熱を断熱材の厚さに置き換える計算をしています)
気密性能表現はC値といい、単位はc㎡/㎡と表現し数値が小さいほど隙間が少ないことになります。C値とは

計算結果
C値 0.0c㎡/㎡     クラスウール効果厚 100ミリ (実際はほぼあり得ない)
C値 0.1c㎡/㎡     クラスウール効果厚  98ミリ
C値 0.5c㎡/㎡     クラスウール効果厚  91ミリ
C値 1.0c㎡/㎡     クラスウール効果厚  83ミリ
C値 2.0c㎡/㎡     クラスウール効果厚  70ミリ(計算より30%余計に熱が逃げることを意味します)

同じ建物で外気温度-5℃、室内温度20℃、外部風速4m/sだと(岩手県想定)
計算結果
C値 0.0c㎡/㎡     クラスウール効果厚 100ミリ (実際はほぼあり得ない)
C値 0.1c㎡/㎡     クラスウール効果厚  97ミリ
C値 0.5c㎡/㎡     クラスウール効果厚  87ミリ
C値 1.0c㎡/㎡     クラスウール効果厚  76ミリ
C値 2.0c㎡/㎡     クラスウール効果厚  60ミリ(計算より40%余計に熱が逃げることを意味します)

となり、きちんと断熱材が入っていても、隙間があると効果を発揮できず結果、暖房費が余計にかかってしまいます。気象条件が過酷になればなるほど、差は大きくなりますので、C値は低ければ低い程快適性が増すでしょう。
この例にあるC値2.0㎡/㎡以上の住宅でも、私たちが目で見て隙間があるようには見えません。住宅の気密性能を知るには気密測定試験を行うしかありません。

上下の温度差と気密性能の関係 快適ポイント②暖房時期上下の温度差がなる


冬の暖房をしている部屋の中で頭の辺りは暑いのに足もとが寒い、冷たいといった経験はありませんか?ご自宅でもそんな経験はないでしょうか?冷え性だからと思っている人もそうじゃないかも?
暖房によって温められた空気は上昇し、天井にぶつかって少し冷えたら落ちてくるといった、対流を繰り返すことにより、上下の温度差無はほぼなくなってお部屋が温まります。隙間が大きいと上の隙間から外に出ていき下の隙間から外の冷たい空気が入って来て、足もとが温まることが出来ないのです。農作業用のビニールハウスも高気密なので、地面付近も暖かく作物が育ちます。上下の温度差がないって快適ですよね。床暖房などの設備を点検しにくい床下に配置することもなく、暖房設備のメンテナンスも簡単です。
C値 0.5c㎡/㎡以下の気密性能になると、真冬に床の表面温度と天井の表面温度の差が1℃以下になります。

換気計画と気密性能の関係 快適ポイント③室内の空気が綺麗


換気設備は居住する人の健康を守るために、法律で定められています。計画通りに機能してほしいですよね!
第3種換気の場合(壁に給気口を設け排気ファンにより排出24時間換気の事)
気密レベルによって換気効率が大きく違うことをご存知の方は少なく、快適ポイント①の気密性能で検証してみましょう。

C値 0.0c㎡/㎡  給気口から入って来る割合100.0% 隙間から入ってくる割合  00.0%(ほぼあり得ない)
C値 0.1c㎡/㎡  給気口から入って来る割合 97.2% 隙間から入ってくる割合   2.8%
C値 0.5c㎡/㎡  給気口から入って来る割合 87.3% 隙間から入ってくる割合  12.7%
C値 1.0c㎡/㎡  給気口から入って来る割合 77.5% 隙間から入ってくる割合  22.5%
C値 2.0c㎡/㎡  給気口から入って来る割合 63.3% 隙間から入ってくる割合  36.7%

このようになります。隙間からも入ってきているのだから、問題ないのでは?とおっしゃる方もありますが、どこの隙間から入ってきているか分からないのが問題です。隙間から入って来る割合が多い程空気の淀みなどが発生しやすく排出が出来ない状況が発生します。室内の汚れた空気や水蒸気をため込むけっかとなり、シックハウス・結露・カビの原因にもなります。結露やカビの発生は不快ですよね。カビもシックハウスの原因になるため、建材などから出る有害物質は5年程度出続けると言われていますが、24時間換気は住宅を使い続けている間必要と考えます。結露がカビの温床です。
気密は健康を守っているといっても良いくらいですね。健康ほどの快適性はありませんよね。
※第1種換気の場合(排気も給気もファンモーターを使って行う換気、熱交換型の換気に多い種類です。)
入って来るのも出て行くのも機械を使うので、割合は100%ですが、隙間の影響による空気の淀みなどは発生しますので、換気不良を起こす恐れがあります。
余談ですが、第1種換気の熱交換型は排気する空気の熱を給気する空気に移して、無駄に捨てないので効率的と言われておりますが、給気するためのファンの消費電力をエネルギーロスとした場合、3種換気の同じ気密性能と比較した場合気密性能で0.5c㎡/㎡~0.3c㎡/㎡の住宅では消費エネルギーにほぼ差が無いといった計算結果も出ています。(機械によって熱交換率が違う為幅があり)熱交換換気の威力を発揮するためにも気密性能は重要ですね。気密にこだわる理由

快適ポイントまとめ

2016年(平成28年)に建物省エネ法が施行され、2020年(平成32年詳しくは、)に完全施行される事により、すべての住宅の断熱性能は一定基準以上になる事は良いことですが、気密性能が伴わなければ快適ポイント①~③の快適性が損なわれる結果となります。快適ポイント①のように2020年の断熱基準を満たしていても気密性能が伴わなければ効果的には基準を下回る性能しか発揮出来ないことなります。快適ポイント①の岩手県想定住宅で試算するとC値 0.1c㎡/㎡の住宅とC値 2.0c㎡/㎡の住宅ではオール電化住宅で暖房費が年間27,542円、35年で約100万円にもなります。機密性能がもっと悪ければもっと差が大きくなります。気密は家計、居住環境、健康などの快適性に大きく寄与します。当社ではお客様に安定した気密性能の住宅を提供するため、全棟C値0.1c㎡/㎡を目標に気密工事完了後と、完成時の2回気密測定試験を行い、気密性能をお客様に提示しています。当社以外で建築される方も、気密性能にはこだわって頂ければ快適な住宅になると思います。

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