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(1)スウェーデンの介護スタイル
先ずはスウェーデンの介護スタイルから見てみます。
・地方自治体が介護サービスを提供
・原則的に在宅ケアが中心
・在宅やサービスハウスなど、施設の連携が取れている
福祉国家として有名なスウェーデン。介護における先進国ともいわれています。在宅ケアを中心とし、高齢者向けサービスには自立生活を支援するものが多く見られます。つまり、周囲の人たちが高齢者の世話をするのではなく、本人が生活に必要なものを最優先に考慮して提供するという「生活援助」をサービスの目的としています。
また、在宅と老人ホームの連携が取れているため、必要に応じて場所を移動できる点も、大きな特徴になります。但し、ケア付きの施設に入居できるのは、「在宅で生活が困難になった高齢者」であるため、国民からは不満の声も上がっています。
(2)イギリスの介護スタイル
「揺りかごから墓場まで」という有名な社会福祉スローガンは、第二次世界大戦後にイギリスがあげたものであり、より良い社会福祉の実現に向けて努力してきました。
・介護休業制度がない
・地方自治体が介護サービスを提供
・在宅ケアが中心
・企業が介護と仕事の両立支援を行っている
・企業の活動を民間団体が支援している
イギリスもスウェーデンと同様に、在宅ケアを中心としています。「自宅での生活を続けたい」という考え方を持った高齢者が多く、介護サービスの内容についても、高齢者の生活援助を目的としたものが多く見られます。また、民間団体の支援を受けながら企業が介護と仕事の両立を推進しているという点も特徴的です。
(3)ドイツの介護スタイル
ドイツの介護スタイルを見てみます。
・介護保険制度がベース
・介護休業制度がある
・2015年に「改正家族介護時間法」が施行された
ドイツでは、介護が必要な高齢者のうち7割が在宅ケアを受けており、要介護者のうち5割は介護者が家族のみという状況です。2015年には「改正家族介護時間法」が施行され、家族介護時間の義務化が行われたものの、介護時間と家族時間の最長利用時間は従来の通算期間より短いものとなりました。
国によって、介護スタイルには違いがあります。スウェーデンやイギリスのような介護先進国では、周囲の手厚いケアよりも、高齢者が自分らしく生活するための支援がサービスの基本となっています。あえて手をかけず、高齢者の自尊心を重視するという手法も一つの在り方でしょう。
また、ドイツ・イギリスについては仕事と介護を両立するための取り組みが行われています。同じ高齢者でも、国が違えば高齢者のライフスタイルもこれだけの差が出るのです。
日本の介護スタイルはこれらの国と比較してどのように感じられたでしょうか。介護スタイルの見直しが求められてくる時期に差し掛かってきているのかもしれません。
因みに、当社(シニア・総合・サポート)での終末対応は、予めご本人さま・ご家族さま・後見人さまなどと事前に話合いの上、ご希望に沿った対応をさせていただいております。 了