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コラム
小学生の上履きと足のトラブル
2021年1月31日
小学生の上履きと足のトラブル
厳しい冬は続いていますが、暦の上では春が近づいています。
2・3月と入学シーズンを迎え小学校での上履きも購入することになるのですが、足に合わない上履きを履いて若年性外反母趾を発症するケースもありますので、上履きは慎重に選ぶ必要があります。
そこで今回は小学生の上履きの選び方を考えてみます。
先ず、上履きは小学校ごとに指定されているところ、されていないところがあります。
写真①小学校で指定されている一般的な上履き
良く履かれている小学生の上履きタイプとは
学校が上履きを指定している理由は、コストパフォーマンスに優れた上履きを一様に提供できること、体育が安全にできること、体育館の床が傷まないことなどが考えられます。
指定されていないところでは、大手スーパーの靴バイヤー情報によれば¥2,000(+税)程度で甲ゴムスリッポンの上履きが販売の大半をしめるとのことです。
写真②甲ゴムスリッポンタイプ
つまり子どもたちの多くがこの様な甲ゴムスリッポンの上履きを履いていることになります。
このタイプは脱着簡単で洗濯もしやすい利点があります。逆に体育の時に脱げやすいなどの欠点もあります。
甲ゴムスリッポンタイプの問題点
販売側からすると、甲ゴムスリッポンタイプのフィッティングは、子どもの足に合わせづらいことが結構あるのです。
理由は、最近の子どもの足は明らかに細くなっていて、今のシューズ規格が合わなくなってきているからと考えられます。
特にアーチが未成熟な低学年ほど甲ゴムに足が合わなくて脱げる、履けても靴の内部で足がスリップして足指がつま先に衝突したり、脱げないように指をすくめたりしています。
つまり足に合っていない甲ゴムスリッポンタイプの上履きを履くことは、パンプスで前滑りして指がつまっているのと一緒、まして骨や靭帯も柔軟な小学生ですから、間違いなく外反母趾の大きいな発症要因になってしまいます。
写真③イメージ写真
ヒールの傾斜が無くても甲の抑えが弱いとつま先部分はつまってしまいます。
若年性外反母趾
写真④若年性外反母趾のフットプリント
これは、若年性外反母趾と診断された小学2年生のフットプリントです。勿論、上履きだけが外反母趾発症の原因とは言えないのですが、この方の場合は、甲ゴムが伸びていて靴内の指跡からは、明らかにつま先形状に沿うように足指は曲がっていました。
このケース、上履きは決して足に対して小さいのではなく、甲のゴムが伸びて甲の抑えが弱かったことが大きな問題でした。
写真⑤
甲ゴムスリッポンタイプを上手く履く方法
履いて甲ゴムが伸びている上履きは買い替え必須ですが、購入時で既に足に合っていない場合はアジャストさせる必要があります。
スリッポンは甲の調整具が無いので、特に細い足の場合は、中敷きを入れて上履きの内部空間を適度に狭くしてあげる必要があります。
写真⑥発育インソール
写真はMIZUNO発育インソール、足指の使いを良くしてアーチの発育を促してくれる優れモノ、その他にも中敷きはありますが踵が浅くならないようにアジャスト出来るかがポイントになります。
上履き自体の問題はこれである程度解決できるのですが、もう一つは販売側のフィッティングスキルが伴わないなどの問題があります。
これは、近くのシューフィッターに合わせてもらうのが一番だと思います。
理想的な上履き
踵から甲の抑えが効く甲ベルトタイプと紐タイプをお薦め致します。
写真⑦甲ベルトタイプ
写真⑧紐タイプ
甲ベルトタイプは脱着簡単で1~4年生ぐらいまで、紐タイプは足に最もフィットし運動能力が上がってくる5~6年生には最適だと思います。
販売側は子供を守る責務として、学校側と協議の上、保護者が選択できる3タイプ程度は準備できるように働きかけて欲しいと願います。
最後になりますが、小学生の上履きは簡単には考えないで欲しいのです。何故なら、成長期の子どもが一番長く履く履物だからです。
かんのシューズ
(社)フット&ボディ バランス アジャストメント機構
(社)足と靴と健康協議会
(社)岩手県バスケットボール協会
(株)バランスケア・ラボ
バランスケアメンバー
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