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管野博久

足元からバランスケアをする靴合わせのプロ

管野博久(かんのひろひさ) / 靴販売店

有限会社 かんのシューズ

コラム

日本の靴文化は発展途上

2020年10月20日 公開 / 2020年11月25日更新

テーマ:正しい靴の選び方

コラムカテゴリ:美容・健康

コラムキーワード: 外反母趾膝の痛みインソール

日本の靴文化は発展途上

 日本では常識、海外で非常識とういうことは良くありますが、靴選びや履き方も日本の常識が海外では違うことがあります。

 例えば、イタリアの靴職人の多くが日本人のオーダー靴を作る場合、イタリア人より“やや緩く”作れば満足してもらえると考えられていて、イタリア人は素足で靴を履くこともあり靴が緩いと歩き難く、履き心地を損ねることを分かっているから職人にピッタリ履く為の細かいオーダーをするのは当然ことのようです。

 最近では日本の靴メーカーも日本人の好みを意識して幅広5Eや4Eと誇張した靴が多く作られ流通しています。※靴に記載されているのは足幅ではなく足囲(足の太さ)でEは多いほど太いことになります。

 しかし、実際の日本人の足囲(足の太さ)の平均は成人男性で2~3E程度、女性はD~E程度なので、如何に日本人が緩い靴が好みなのかを示しています。

多くの日本人は、何故、やや緩い靴が好みなのか?

 やや緩い靴が好みとしていますが、実態はそうとう緩い靴が好みと言って良いと思います。

 これは日本人の生活様式と履物文化が大きく関係していると考えられています。

 日本家屋では必ず靴を脱がなければならず着脱性が求められ、日本で流通している多くの靴にジッパーがついていますが、西洋では靴にジッパーをつけることは少なく、日本にブーツを輸入する商社は日本市場向けにジッパー付きへのデザイン変更をお願いしている現状です。

 また、日本で庶民が靴を履くようになったのは戦後75年ほど、西洋は産業革命以降で270年ほど、靴文化が成熟している西洋とは200年の差があります。

 日本の靴文化の歴史はまだ浅く戦前の日本の履物は着物に合わせた草履・下駄でした。
写真①

 日本の伝統的な履物(草履・下駄)は鼻緒で着脱性が高く足を覆っていなのに対し西洋から来た靴は革などで足全体を覆います。

 そんな日本人はどうしても履物に対して直ぐに“つっかける”、“脱げる”、そして足が覆われず“蒸れない”草履や下駄の利点を無意識に靴に求めて、やや緩く靴を履くことで着脱性や通気性を補っているのではないかと考えます。
写真②



※先進国の日本ですが、踵をつぶして履いている方を多く見かけます。

草履や下駄より靴が優れている点

 西洋では朝起きて靴を履いたら夜ベッドで寝るまで靴を脱がない生活様式、一日中履いている靴に求められる機能は、石畳や舗装路にも丈夫であること、風雨や熱から足を守ること、疲れないこと=歩き易いことです。
※最近は西洋でも室内履きに履き替えるようになっています。

 勿論、オープンパンプスやサンダルなどは歩く(長時間)ことより美しさを求められますが、多くの靴は楽に歩く(長時間)ことの機能が求められていて足の固定が鼻緒だけの草履や下駄に比べて優れている点となります。

 因みに飛脚の履物は草鞋ですが、それも紐で足の甲や足首を確り結べるもので確り固定して歩き易くしていました。

日本人は靴の履き方も間違えている。

 どうしても鼻緒に慣れていた日本人の靴の履き方は無意識につま先合わせで“つま先トントン”としてしまいがちです。靴は本来かかとに確り合わせて履きます。特に紐付きのスポーツシューズは“かかとをトントン”してから確り紐を締めて履くことが重要です。

 残念ながら日本の生活様式が西洋的になってきた現代でも、親から子へ子から孫へ間違えた履き方を無意識に伝えています。

日本人が好むやや緩い靴は本当に履き心地が良いのか?

 やや緩く靴を履くと靴の内部では足が滑ったり動いたり、結局、細くなっているつま先に足指が追いやられてあたります。そして更に大きいサイズを購入する悪循環に陥ります。
写真③

 また、20代では靴のサイズが23.0㎝だったのに50代になったら24.0㎝を履くようになったと話される女性は多くいます。理由を聞くと足幅が広くなったから、足が冷えてソックスを重ね履きするからと話されます。

 つまり、足全体のフィット感や足の支持を考えずに幅だけを基準にて靴を選ぶ傾向にあります。以前にも書きましたが靴は3部位支持があってはじめて歩きやすくなるのです。足幅だけを基準に選ぶと支持不十分で靴を“つっかける”だけの状態になるのです。
写真④


 履き心地が良い靴は楽に歩ける靴です。逆に足を入れた状態で足触りが良くても歩いたら痛い、疲れる靴はいくらでもあります。これは靴で足の支持が不十分だから起こる現象です。

 また、足が冷えるのは血流の問題、緩い靴を履くほど足指の動きが悪くなり血流は促進されません。対策としてアーチを整え足趾が動きやすいウールの5本指ソックスを履いて足首を冷やさないようにすることが大事、ソックスの重ね履きは足趾を動かしにくくするだけで根本的な解決にはなりません。

履き心地が良い靴?

 靴の機能で大切なのは歩きやすいこと、つまり“楽に歩ける”のが良い靴です。楽に歩ける靴は足が確り支持されていて、足の力や動きを正確に地面に伝えられる靴です。

 程度はあれ、やや緩い靴では効率が良い歩行は出来ず疲れやすい靴になります。

 足幅が広がる理由は足を支えるアーチが低下すると足幅は広がるのですが、写真⑤⑥では
自然に立ってもらい緩い靴内部の足と、テーピングにより靴紐を絞めた状態の足を想定しました。
写真⑤

写真⑥

 50代女性(足長24.0㎝)の足にゆるくテーピングをしてアーチを支えると幅も太さも細くなります。

 アーチの低下を防止する簡単な方法は、先ずは靴紐をユルユルにしないで確り足を支えるように適度に締めることです。※血流が止まるような締め過ぎには注意
動画①
 手で握る動画ですが、手首を締める方が明らかに指の力が入ります。皆さんも試してみて下さい。

 この動画の手を足に置き換え考えれば、靴紐でしっかり足を固定すれば足指は力強くなり蹴る力が増幅しますので靴が軽く感じる様になります。本当に歩きやすくなります。

 したがって歩きやすい靴選びのポイントは紐などで確り足が靴に固定出来ることが大事になります。

アーチの低下やアーチバランスが崩れるといずれ体は悲鳴をあげます。

 人間の体のバランスは高い建物のバランスに似ています。建築途中で傾き始めたピサの斜塔は中心軸をずらして建築したとのこと、人の体も足元がアンバランスになると体をゆがめて体全体のバランスを保とうとします。
写真⑦

 足幅が広くなった=アーチの低下ですが、アーチは足裏にあってお茶碗をひっくり返したようなドーム形状をしています。

 人はこの小さな足裏で全体重を支え歩行しています。支えられる構造としてアーチ形状があります。

 この形状が左右でアンバランスになると、脚でつながっている関節に負担がかかり、体はゆがみ色々な身体的トラブルに発展します。
写真⑧

 多くの方が“足と靴と体の関係”を知っていただいたなら間違いなく体のトラブルは劇的に減ります。
 
 繰り返しになりますが、アーチバランスを簡単に整える方法は適正サイズの靴を履いて靴紐で確り足を固定することなのです。

最後に

 個人的なことですが、尊敬する業界の大先輩、勝見茂先生が他界されました。

 先生は、日本に正しい靴文化を根付かせようと生涯現役を続けた方です。その意志がフット&ボディバランス アジャストメント機構の設立動画に込められています。
動画②
 今後とも私たちは、正しい靴の情報を皆様に伝えるために活動をして参りたいと思います。
感謝

かんのシューズ
(社)フット&ボディ バランス アジャストメント機構
(社)足と靴と健康協議会
(社)岩手県バスケットボール協会
(株)バランスケア・ラボ
バランスケア・ネットワーク

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