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吉田洋一

テニスを通じて子どもの心身発達を支援するプロ

吉田洋一(よしだよういち) / テニス指導者

一般社団法人JSTC

コラム

必要なのは診断名ではなく「フォーミュレーション」

2022年11月24日

テーマ:その子の不可解を理解する

コラムカテゴリ:出産・子育て・教育

 <「様子をみましょう」ではなく>
 必要なのは、「もう少し様子をみましょう」と先送りすることでもなく、早々と診断名を告知することでもなく、発達の分布の中で、いま太郎くんはどこを歩いているかを知ることです。「太郎くんは<知的障害>ではないか」「いや、太郎くんは<自閉症>ではなか」ではなくて、「いま6歳の太郎くんは認識の発達ではほぼ4歳あたり、関係の発達ではほぼ2歳あたりを歩んでいる子ではないか」というように診立てることです。そして、おくれているところを支え伸ばすことに留意した子育てのかかわりを早速はじめることです。その子の発達のおくれているところを支え伸ばすはたらきかけは、様子をみましょうではありません。普通の子育てでなされているかかわりを、より丁寧で濃やかな工夫や配慮のもとに行うことです。たまたまその時点で少しおくれていたに過ぎず、発達障害には入らない子どもだったとしても、その子にとってマイナスにはなりません。診断が確定できてからはじめるのでは、後手になってしまいます。
 その太郎くんが15歳、さらに20歳のころどのあたりを歩いているかは、もちろん、まだわかりません。今より先にいるのは確かです。「できるだけがんばって歩いて、少しでもみんなと距離を縮めてほしい。少なくとも水が開かないようにしてやりたい。それを応援するためにはどうしたらいいだろうか」と考えるだろうし、「今の太郎くんでよい。このまま自分のペースを守ってやるにはどうしたらいいだろうか。」と考えるかもしれません。どちらがいいか、迷いや葛藤が生まれたり、周りの人たちの間で意見の違いが生まれることもあります。一回きりの人生を前に正解のない問題かもしれません。

 <必要なのは診断名ではなく「フォーミュレーション」>
 めいめいの子育て観、人生観、幸福観など価値観の問題が深くかかわってきます。その人の立ち位置によってもちがいが生じ、おくれの程度も含めて太郎くんのもっている諸条件に規定される部分も多いでしょう。太郎くんの成長の歩みに寄り添う中で、見方や考えが変わってくるかもしれません。太郎くん自身はどう思い、どう感じているかもできれば知りたいのです。
 結局、私たちに必要になってくるのは診断名ではなく、このようなことがらを含めた全体的な判断や「フォーミュレーションformulation」なのです。
 児童精神科医の仕事は、その子がどんな病気かを診断(diagnosis)することではなく、その子がどんな子どもか、その生い立ち、おかれてきた環境、今ぶつかっている状況、その子や家族が何を求めているか等を含めた全体をとらえたうえで、その子への理解と治療の枠組みを組み立てること(formulation)で、診断(diagnosis)はその枠組みの一部分をなすものに過ぎません。次回に続きます。
(R4.6.10再掲)

スポーツ指導者を兼ねていたからこそ知見できた「運動と脳の相互関係」
自身の身体運動を促す「人間工学理論打法」が「運動」と「子どもの脳の発達」を促す
「楽しい、心地よい運動」が「脳を育てる」
スポーツを「楽しい、心地よい運動に変換」
子どもの心身の発達を支援

一般社団法人JSTC 代表理事 吉田洋一
連絡先(携帯電話番号)090-2790-5389
メール jstc@docomo.ne.jp

 

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