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コラム
妄想建築
2012年8月10日 公開 / 2014年8月1日更新
いろんな物、出来事を、建築や空間に置き換えたりたとえたりしてしまうことが多い。
これは設計や建築に携わる者の職業病ともいえる。
その中でも仮想空間ともいえるインターネットもその例外ではない。
特にツイッターやフェイスブックは仮想空間といういわゆる3次元といった概念だけでなく、まち、都市といった人間関係などのコミュニケーションの要素も加味された、まるで鏡の世界のような大きな国が、情報社会を埋め尽くしている。
一時期は、現実社会と、仮想社会の境目が失ってしまったのではないかという事件事故が多発し紙面、ニュースをにぎわしたが、ネット社会でのコミュニケーションの手法がたくさん出現し、フェイスブックでの情報共有が国家転覆の一役を担うようになり、市民権を得たように感じる。
そのようなジレンマに対して、むしろ、飛び交う情報とどう付き合うか?どう取捨選択を行うか?というところに、これからは重みあるのではないか。というのが皆さんも感じるところだろう。
たとえばTwitterでつぶやくとき誰に向って文字を入力し、文章を構成しているだろうか?
私、やまもとは、Twitterであるなら、木造アパート2階建ての2階の、4畳半の部屋でマイクに向かって町内放送をしているというのが、ひとつのイメージするところ。もし、私が万を超えるフォロワーを有していたら、そのイメージは町中に貼られた広告チラシのようなものを考えるかもしれない。もしかしたら、セミが
つぶやきを発しているのかもしれない。この影響力は絶大なものだとイメージできる。これはもはや建築ではないような気がするが、暴走も空間がなせる業だと思う。
ではフェイスブックではどうだろう。ツイッターに比べて実名性があり、相互性が高いところを鑑みて、八百屋があり、肉屋があり、そこではコロッケを揚げいているような商店街で買い物をしているような場面を思い浮かぶかもしれない。
そこでは、軒先がひしめき合い、アーケードがその上を覆い、そのもとで天気に関係なく井戸端会議が行われ、学校帰りの子供が、夕ご飯の食材を調達にきた大人たちに「ただいま」とあいさつをする。そんな情景を。
その背景には、むしろ自分は普段、日常をどう過ごしているかが反映されるのではないかと思ってしまう。いつか過ごしていた原風景だったり、憧れだったり、
はたまた、それが本来の自分の姿であったり。
これは家づくりにもつながるところが多々ある。自分の理想をかたちにしようと思えば、家づくりとは違う場面にも理想は転がっているし、ヒントは隠されている。またまた、元の根っこのところを掘り返していくと実は理想というかたちで家づくりと繋がっていたり。妄想といえば聞こえは悪いが、自分の得意分野に家づくりを引きずりこんでみれば、理想が見えてくるかもしれない。
これは、先にでた「飛び交う情報とどう付き合うか?どう取捨選択を行うか?」というところに通じるのは間違いない。
先日、妙見山への登山時に撮った写真。よく山登りと目標とをなぞらえることがあるように、家づくりにも山頂へ向かうためのいろんな登山路がある。そのどこが自分に向いているか?楽しいか?と置き換えるのも一つの例であろう。
山本幸司
山本建築設計事務所
〒650-0022 神戸市中央区元町通6丁目1-4元町WESTビル4階A
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