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コラム
打合せで生まれる言葉
2012年6月27日
施主との打合せでのやり取りでいつもおもしろなと思うことがある。
それは、「~はできますでしょうか?」と聞かれること。
例えば、「ここに収納はできますでしょうか?」といった具合に。
(主婦はいつも収納のことを考えている)
この言い回しは、ものすごく僕のことを信用していていただいていること、信頼関係が築けている、また、ある種の尊敬の念を抱いてくださっていることが伝わってくるので、ありがたいことだと思っている。
ここで、どう答えるか?
もし、住宅会社の営業や、あまり建築の知らないような人だと、お客様の要望は絶対。と、即答で「はい。できます」答えるだろう。
ただ我々のような、設計やものづくりをしている立場ではそうもいかないこともあり、返答にもひと呼吸~うーんと考え込んでしまう時がある。
それは出来ないわけではなく、収納をつくることによっていろんなところに影響が波及しないかと考える為、どうしても返答が遅くなることがあるのです。
その背景にあるなかなか見えづらいものをものを見ようとするからなのである。
収納をつくることにより、その後ろの空間に無理は生じないか?
施主の希望していた住宅の要求であった機能を維持できるか?
費用帯コストに似合ったものでできるかどうか?
コンセプトであったデザイン性が維持できるか?
(設計者としてと、施主が考えていた、両方の立場で)
構造的に不安定なものにならないか?
法的に問題はないか?
他にもたくさんある。
そういったいろんな価値観から、側面から、判断して返答する為、
変に難しい間が生まれてしまう。
これは、プロであればあるほど、難しさと怖さを知っているため、ならざるを得ないパラドックスみたいなものだといえる。
ただ、こういったプロとのやり取りでもっとも期待してもらいたいのは、いろんな条件や、そこに行き着くまでの施主とやり取りしてきた内容や好み、傾向などを鑑みて、施主に対して、思いのよらなかった新たな提案ができるということ。
その提案にはおそらく、それまで打合せを重ねてきた結果の「家づくりストーリー」に似合った提案であるのでとても受け入れやすいものになっているはずです。その連続が信頼関係を築けている要因だと思うのでもあるのです。
そしてその「家づくりストーリー」で生まれた住まいが、過ごしやすい快適、安心な家になることを想像するのに難しくはないでしょう。
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