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笑っていられたら

坂部智子

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おそくなりましたが、母は無事に退院しています。
約三週間ぶりにベッドから降りて、車いすに座り、
いつもの送迎の車にゆられて。
馴染のスタッフさんに出迎えてもらい、ご利用者さんにも
「まぁ、退院できたの!よかったねぇ」と声をかけてもらった。

すぐにお昼の時間になって、用意していただいたソフト食は、
病院よりも品数が多く、おいしかったようで、パクパク食べた。
おかゆのご飯粒がひっかかったのか、派手に吹きだした。
落ち着くのを待って、ゆっくりお茶をのみ、またパクパク。
おいしい?
よかったね
みんなおるね~
と話しかけながら、パクパク。
にか~と笑うので、口の横から垂れてくる・・・
出てくるやん~と、拭いてもまたまた にか~と笑う。

ホントウニヨカッタ。
また、こんなふうに笑っていられて。

ほんとにね、
母の入院中、私は心配と不安と、そして怒ってばかりいて、
とってもとっても疲れた。
無事に退院して、ちょっとほっとしたら、
心も体も、クタクタだと気づいた。
怒りは体も心も固くする。
全身凝りコリ状態・・・
(基本「まあいいか」で生きているので日頃はそんなに怒ることは無いゾ・・・)

父の時は、父が我慢強いのもあったし、
ガマンできないコトは自分で言うやろと思えていたので、
そんなに目を光らせることもなかった。
母は自分では言えない。
わからないまま、されるがままの母をみていたら、
なんで?
どうして?
ちょっとまって!
と、怒りが・・・ね・・・

この怒りは、でも、そのまま自分の将来への不安につながるのだ。
母には私がいる。
母に代わって(実際、母が言うかは別として)
わかってもらおうと伝えることはできた。
でも、私が将来(どれほど先かはわからないけど)今回の母のような立場になっても
(私の立場になるモノは)誰もいないし…などなど。
自分の行く末を具体的に思うほどに、この現実に怒りが向くのだ。

はぁ〜
身勝手だね…

母は、入院中寝てばかりいたので、施設での日常に慣れるにはやっぱり体力的にもまだまだなようです。
お昼間は傾眠強く昼食はほとんど食べれてない…ということが多いようだ。

無理はせんほうがいいからと、今週の帰宅はあきらめた。
あせったらあかん。
目が覚めているときに、笑っていられたら、もうそれだけでじゅうぶん。

しっかりせな、と自分にいいきかせる。

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