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坂部智子

介護サービスのプロ

坂部智子(さかべともこ)

神戸・長田の宅配ショップ ともべぇ

コラム

改善することは罪悪?

2011年11月8日

テーマ:仕事のはなし

コラムカテゴリ:医療・病院

90歳になるお母さん(要介護4)の介護を一人でされているAさん(女性、60代)。
介護が必要になって、まもなく7年になるという。

永年住み慣れた古い一戸建て。
朝晩の清拭、尿漏れの始末、着替え・・・洗濯機は休むことがないくらい。
お母さんが寝ている部屋から、洗濯機置き場までは遠い。(離れ?のようなところ)
お茶・・・と言われて取りに行く台所は、一番奥。
さらに物干し場は、2階の端っこ。
一日中の、上がり下りを含めた移動距離は相当なものと思われる。

お母さんが呼んでも聞こえなかったり、すぐに行けなかったりすることも多く、
後からご機嫌をとるのにとても時間がかかる・・・・こともある。

尿漏れの改善、防水シーツの活用・・・部屋の模様替え(住宅改修は拒みはる・・・)
介護サービスの導入(訪問介護も利用していない)・・・
少しでも、Aさんの負担が少なくなるように、効率代よく動けるように
なにかいい方法はないか・・・といろいろ考えていると、
「このままでいい」とおっしゃる。

介護を受けているご本人が「このままでいい」とおっしゃることは、よくある。
変えたくなかったり、“おっくう”であったり、理由は様々だ。

Aさんにお話しを伺うと、
お母さんも、この環境で、お舅さんとお姑さんと夫の介護をし、きちんと見送ったそう。
介護保険もまだなくて、介護用品もあまりなく、おむつの性能も悪かった中で
ほんとに見事なまでに献身的な介護をされていたそう。

これだけ、制度や用具が改善されているのに、「しんどい」なんて口が裂けても言えない・・・・
母に見られているように、試されているようにずっと感じている・・・とおっしゃる。

お母さんの認知症も進んでいるので、Aさんをチェックすることなどもうできないし、
そんな娘の姿を見たいか見たくないか・・・ほんとのところはもうわからない。

けれど、Aさんはそう思っている。

共倒れになったら大変・・・ということと、
その労力を違うことに(もっとお母さんに寄り添うことに)使う・・・という方法もある
ということを伝えた・・・

今は、伝えることしか、できなかった。

介護に正解はない。
サポート体制が不十分で、機能していないケースもあれば、
(正しく現状を把握してもらえていない・・・ともいう)
Aさんのように、介護する側の“強固な意志”で選択されていくケースもある。

好きでするんやったら しゃあないなあ・・・ではなくて、
より細心の注意と、適切な距離での見守りと、
必要な情報提供と、サポートする側の連携をしっかりとっていく。

かなりな「要注意ケース」デス。

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