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坂部智子プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

狭いからこそ

坂部智子

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テーマ:仕事のはなし

訪問する先々のお家は、立地も間取りも広さも もちろん様々だけれど、
何十年と生活を積み重ねてきた、その実績が
あふれるばかりの“モノ”として 部屋中を占拠していることが多い。
家具しかり、衣類しかり、ソノタいろいろ・・・

展示会などでアピールされている、十分なスペースが確保されているお家など
めったにない。
現実には、広いことが必ずしもいいとは限らない。

本日訪問したAさん(90歳 女性)
部屋にベッドを置くと、周りにほとんどスペースは残らない。
ベッドと壁との間が60cmほどのおかげで、
ベッドに腰をかけ、手を伸ばした先の壁につけた縦手すりを引っ張るようにして
すくっと立ち上がることができる。
ベッドサイドの手すりを支えて立つよりも、前方に体を倒して
引き上げるように力がかかる方が立ちやすい。


トイレが狭い・・・とご家族が心配するBさん(88歳 男性)
洋式トイレ用の手すりをレンタルされている。
手すりで支えて 立ち上がり、ズボンを上げる時は
おでこを前方の壁に押し付け、肘をトイレ手すりに乗せて 3点支持(?)で
ご自分で身支度を完了しはる。(ほとんど芸当なみではあるけれど)
広いトイレだと、できない。
狭いからこその利点は たくさんある。

ひとつひとつの動き、動線、空間活用、
その人にあった、その家にあった、暮らしにあった改善工夫こそが
在宅生活を支える。

環境を整えるというのは、そういうことだと
今日もまた、実感した。

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