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コラム

2010年表展作品のメイキング㉓(覚ver.)<八双の準備と取り付け>

2019年3月23日

コラムカテゴリ:くらし

玉木覚です。

前回で軸木の取り付けが完了しました。
そろそろ掛軸のメイキング記事も大詰めを迎えようとしています。

今回は八双を準備して取り付けましょう。
軸木と八双が『???』な方は、こちらをご覧ください。⇒こちらです。





←軸木の取り付け完了

では、早速ですが、八双に使う材を切り出します。



←上:八双、下:軸木

八双は、カマボコ型(半円)に整形されている木の棒(長さ 2 mくらい)を掛軸に合った長さにカットして使います。
八双には軸木と同様に杉がよく用いられます。この理由も軸木と同様で、杉はアクが出にくい材であることが挙げられます。木のアクってあなどれませんよ。すごいシミになります。あと、木の反りの程度が大きいものやねじれているものは、掛軸の仕上がりに悪影響を及ぼすので、使わないようにします。

八双に使う材には、ちょっとした化粧を施します。こんな感じです。







上の写真は、八双の端(両端)に上巻きを取り付けたところです。こうすると、材の切り口が化粧されるので、見た目が綺麗です。
これで八双の準備ができました。(*:上巻きが『???』な方は、『メイキング⑲』をご覧ください。⇒こちらです。

次は、掛軸の袋(八双を取り付ける部分)を準備します。



←袋に八双をセットしています。

この状態まできたら、袋で八双をくるみます。
このときに、八双を糊でしっかりと袋に固定して袋から八双が外れないようにします。



←八双の取りつけ完了



←拡大

細かい話なのですが、八双の端が掛軸の耳よりも2~3厘(約0.6~0.9 mm)程度外側に出るようにして取り付けます。上の拡大写真で何とかその様子が確認できますでしょうか。

これで八双の取り付けが完了しました。
次回は鐶(かん)と呼ばれる金具を取り付けます。

お楽しみに~!

『2010年表展作品のメイキング㉔(覚ver.)』へ続く。⇒続きはこちらです。

表具師 玉木楽山堂

https://www.tamakirakuzando.com/

<オマケ>
前回の軸木の記事もそうなんですが、八双の取りつけ(今回の記事)は裏打ちなどと比べるとサクサクッと軽い感じに見えるかもしれません。しかし、この段階の作業のほうがある意味でプレッシャーが大きくなります。なぜかというと、この段階でのミス(切り間違い、汚損など)は振り出しに戻ることを意味することが多々あるからです。具体的にいうと、布を糊などで汚損したらその部分の布を綺麗なものと交換しなければならないので、布の肌裏からやり直しという事態になります。

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