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コラム

表具のお話 その1 <表具って何でしょう>

2018年2月14日

玉木覚です。
今日からは数回にわたって、「表具」と「表具師」について紹介していきます。

このコラムを読んで下さっている方でしたら、「表具」と「表具師」という言葉を聞いてどんな意味なのかイメージが湧くかもしれませんね。でも、私の友人・知人などは「表具」という言葉を聞いても、「それって何?」というリアクションが多いです。ちょっと悲しいですね。「お花屋さん」とか「パン屋さん」というとどんな仕事なのかすぐにイメージが湧きますが、「表具師(表具屋さん)」という仕事はいまいち馴染みが薄いようです。

このコラム記事がたくさんの方に「表具」に興味を持っていただけるきっかけになれば幸いです。なお、この内容に関しましては文献にも確定的なことが記述されていない部分がありますので、「ふ~ん、そんな感じなのか」といったように断定的なものではなく参考としてご覧ください。

連載第一回目の今日は、「表具」の定義について紹介します。

「表具」という言葉と同じような意味合いで「表装」という言葉を耳にしたことがある方がいらっしゃるかも知れませんね。実は厳密には「表具」と「表装」という言葉は、まったく同じ意味を持っているわけではありません。しかし、現実には「表具」と「表装」は使い分けられる場面は多くありません。そして、私も厳密に使い分けていません。それくらい微妙な差なのですが、一応「表具」と「表装」の違いを紹介しておきます。

「表装」は「紙・布・糊を使用して、作り上げてゆく張り作業の行為」と定義されています。これは、東京表具経師文化協会が昭和42年の技能検定実施にあたり、当時の労働省などの関係方面と相談した結果、このように定義したものです。そして、昭和54年に「表装」は「表具」と壁装の併称であるとも定義づけました(表装=表具+壁装)。よって、「表具」は「表装」から壁装を除いたものになります。(この壁装は、現在ではビニールクロスなどの材料を使った一般住宅、およびその他建造物の内側の壁面をキレイにするための内装を意味します。)

そして、「表具師」は「表具」を仕事としてしている者のことです。

『なんだかややこしくて「表具」とはなんなのか良く分からないなぁ』という声がパソコン越しに聞こえてきそうですので、「表具」に含まれるもの書きますね。

<表具に含まれるもの>

●掛軸、額装、襖、屏風、衝立、巻子、帖、障子張り、貼付壁、など。

*注:これには色々な解釈があるのですが、文献等で確認できるものの中で、一般的に「表具」と認識されているものを載せました。

「表具師」は、上述の<表具に含まれるもの>を設計したり作ったりしている者です。

少しは「表具」というもののイメージが湧きましたでしょうか。

「表具」を定義づけると上述のように東京表具経師文化協会が決めた内容になりますが、『具体的に何が「表具」なのか?』と問われますと<表具に含まれるもの>に記したものになります。しかし、これは多少曖昧な部分がありまして、法律のようにキッチリと決められているわけではありません。その理由には、後の記事で紹介する「経師(きょうじ)」という仕事が「表具師」の仕事に関係しているからです。

「表具師」と「経師」は古くから非常に密接な関係で繋がっており、現在では「表具師」と「経師」は同じ意味を持ちます(表具師=経師)。しかし、昔々は「表具師」と「経師」は別の職種として存在していたようです。(「経師」が元々存在していて、時代が新しくなると「経師」から「表具職(表具師)」が分化したと言われています。)

ちなみに、現在では表具を仕事としている者を一般的には「表具師」と呼びますが、関東では「経師」とも呼びます。

次回は「表具」の目的について紹介します。

お楽しみに~。

<おまけ>
表具に含まれるもののうち、手元に写真があったものを載せておきます。

 ←掛軸の例

 ←和額の例


 ←屏風の例

 ←衝立の例

 ←巻子の例

 ←帖の例


表具師 玉木楽山堂

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