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コラム
相続財産(相続不動産)で競売になるケース
2016年11月6日 公開 / 2016年12月21日更新
親から相続した不動産を「競売」する他ないというケースがあります。ある事例をもとに「競売」にいたる経緯、また「競売」が持つデメリットについてお話ししたいとおもいます。
強制力を持つ「競売」
「競売」をどう読みますか? 一般的には「きょうばい」と読みたくなりますが、法律用語としては「けいばい」と読みます。
しかし、「きょうばい」にしても「けいばい」にしても、裁判所が決定するものですから法律として強制力を持っています。親から相続した不動産を「競売にするのはいやだ」とおもっても、裁判所が「競売」するよう決めたら、その不動産は「競売」にかけられるほかありません。
相続不動産が「競売」になった事例
父親が亡くなり、3人の兄妹が家と土地を相続することになりました。父親の遺言状はなく、兄妹3人でどう分けるかを話し合いました。「分割協議」です。
一番上の兄は、「みんなそれぞれ独立して家庭を持っている。家も土地も売却し、そのお金を均等に分けよう」と提案し、一番下の妹は承諾しましたが、弟が納得しません。
「遺言状はないけれども、お父さんは、お父さんのそばにずっといた自分に家と土地を譲りたいと言っていた」と主張するのです。
兄妹の話し合いでは結論を得ず、家庭裁判所に調停の申立を行うことになりました。兄妹のうちの1人でも分割協議に納得しない人がいれば、結局はこうするほかありません。
さて、調停は何度も繰り返されましたが、弟は意見を変えず、とうとう裁判所は相続不動産を競売し、競売によって得たお金を3人で分けるよう判断を下しました。
その結果、一般の不動産で売却すれば「競売」よりもはるかに高く売れる不動産を低額で売却し、そのお金を3人で分けることになりました。
競売のデメリット
相続不動産の「競売」にはほとんどメリットがありません。第一に「競売」は転売目的で落札する傾向が強く、市場価格の5~7割程度の値で落札されることが多いのです。
また、裁判所による競売開始決定後にはその情報が公開されます。裁判所で閲覧することができ、インターネットなどにも掲載されます。
そのため、隣近所に知られるおそれがあります。ご紹介した事例の場合、家族の不和を知られるようなことにもなってしまいます。
さらに、競売開始決定がされてからその物件が売れるまでには半年以上、長い場合は1年近くかかるケースもあります。
この事例の場合、弟さん一人のためにお兄さんと妹さんがこうむった迷惑ははかりしれない、ということになってしまいます。
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