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藤本尚道

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藤本尚道(ふじもとまさみち)

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コラム

「大人たちの都合」があぶない(1)

ニュースの読み方

2018年5月24日

 もう日本中が怒りを通り越して、呆れかえっていることでしょう。昨日の日大アメフト部の元監督・コーチの記者会見です。通常、記者会見は、世間を納得させ、過熱する報道を冷まし、社会的なバッシングを避ける目的で行われます。その意味では、今回の記者会見はまったくもって「逆効果」です。あんな不自然な説明を誰も信じるはずありませんし、誰ひとり納得させられる内容ではありませんでした。

 しかし、それでも彼らにとっては、あのような記者会見をするしかなかったのです。それは、彼らが「警察・検察」の方向しか見ていないからです。世間がどう言おうが、マスコミが如何に騒ごうが、ともかく「刑事事件」からの逃げ切りを図りたかっただけなのです。そこが彼らの「ディフェンス・ライン(防御線)」となっています。ここを守り切るためには、世間もマスコミも敵に回さざるを得ないという「切羽詰まった状況」がここにあります。

 この事件は、「やくざの出入り」とまったく同じ構造です。組長(監督)が若頭(コーチ)を通じて末端の組員(加害選手)に「あいつ(被害選手)を痛めつけて来い」と命じて、それが現に実行されたにもかかわらず、あとになって「そんなことは命じていない」と否認し、「オレの言ったことを間違って理解した」と弁解し、「オレたちは予想だにしなかった」と驚いて見せているだけのことです。まさに「大人たちの都合」による「茶番」なのです。

 そもそも「言った」「言わない」の論争は「水掛け論」になることが多く、近年流行りの「音声データ」(隠し録り)でもない限り、なかなか立証できません。ですから、傷害罪の共同正犯ないしは教唆犯として罪を問われる可能性から逃げ切るためには「知らぬ・存ぜぬ」で押し通すしか方法がないのです。選手との直接的な接触が少なかった元監督は「そんなことは言っていない」という方向性で逃げ、選手に直接指示したコーチは「そうは言ったが趣旨・意味が違う」という方向性で逃げようとしています。

 それにしても、加害者(実行犯)である選手自身が、実名も顔もさらけだして、つまりは自分にとって将来予想され得る様々なリスクをもすべて甘受する覚悟で、極めて具体的に一連の事実関係を明らかにしたことと対比するならば、色々なモノを守りたい「大人たちの都合」に基づく今回の記者会見は本当に腹立たしい限りです。

兵庫県弁護士会/神戸市中央区/藤本尚道法律事務所
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