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コラム

貴乃花親方の沈黙(6)

ニュースの読み方

2017年12月19日

 実は日本相撲協会が11月2日の時点で鳥取県警経由にて今回の暴行・傷害事件を把握していた事実は前々回のこのブログで指摘したとおりである。しかし、この時点で協会がほとんど何も動いていなかったことも前述のとおりだ。その後、協会では11月11日に臨時理事会が開催されているが、今回の暴行・傷害事件は議題にすらあげられていなかったと聞く。「貴乃花親方がもっと早く報告しておれば協会として取るべき手だてがあった」と言う池坊保子評議員議長の「指摘」はまったくの「的外れ」なのだ。協会がこの時点で理事会の議題にすらしなかった事実は、協会が今回の暴行・傷害事件を「緊急事態」と受けとめていなかったことの証左である。この時点ではマスコミ報道の過熱はまだ先々の話であって、事実関係の「隠ぺい」の方が協会にとって「優先順位」の上位に位置していたのであろう。貴乃花親方が、孤立無援の状況でも協会の「組織的隠ぺい」と闘わざるを得い…と考えたことには十分な理由がある。

 日本相撲協会は、従前から「暴力的体質」からの脱却を目指してきたとされる。その関係で、協会は親方・力士らに対して「暴力」があった場合の「通報義務」を課していたと言う。これは池坊保子評議員会議長によりTV放送等で何度も何度も「説明」されていたことである。池坊氏は、貴乃花親方がこの「通報義務」に違反したという文脈で貴乃花親方を責め立てていた。しかも鳥取巡業中の出来事であり、親方は巡業部長の立場にあったのだから、このような「通報義務違反」は許されるべきことではない…と言うのが池坊氏の「論理」であった。

 しかし、池坊氏の「説明」が本当ならば、この「通報義務」は「力士」にも課されていたことになる。暴行の「実行犯」とされる日馬富士に「通報義務」を課すのは「非現実的」だとしても、現場に一緒にいた白鵬や鶴竜には当然に「通報義務」があるはずだ。まさに目の前で起きた「暴行・傷害事件」である。後から「話を聞いただけ」の貴乃花親方より、事件の全容について明確な報告が出来るはずだ。モンゴル力士勢同士の間で起きた問題だから協会に通報しなくてもよい…などと彼らが考えたとすれば、それはまるっきり「治外法権」ではないか。

 とは言っても、相撲社会は私たちの考えが及ばないほどに上下関係が厳しい「縦社会」である。番付が逆転すれば、入門が早かった兄弟子の方が弟分の「付き人」をさせられることもある厳しい世界なのだ。横綱なんぞは、それこそ「雲の上の人」であるから、下位の力士が「モンゴル横綱の暴力」を協会に告発することなど「夢のまた夢」である。だからここは目をつぶるとしても、少なくとも白鵬や鶴竜は同じ横綱だから、「通報義務違反」に問われても仕方がない。しかも、彼らは日馬富士の暴行を止めるべき立場にあって、これが可能であったにもかかわらず、相当時間これを「放置」した疑いすらある。横綱審議委員会や危機管理委員会が白鵬や鶴竜の「処分」をも検討していることは「遅きに失する」ものの、その方向性は間違っていない。

 さて、この「騒動」は、いったいどこで「決着」をみるのであろうか。(…つづく)

兵庫県弁護士会/神戸市中央区/藤本尚道法律事務所
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