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コラム

貴乃花親方の沈黙(3)

ニュースの読み方

2017年12月16日

 日本相撲協会・評議員会(7名選任。うち外部有識者4名)の議長は、最近TV等での「露出」が目立った池坊保子氏である。池坊保子氏が「貴乃花親方の報告が遅かった」「報告が早ければ協会としてもっと適切な対応ができた」「巡業部長としての義務に違反している」などと、盛んに貴乃花親方の「失態」を指摘して私的な意見を披瀝していたことは記憶に新しい。その指摘内容の「当否」については後に検討するとして、池坊保子氏の「TV出演」及び「意見披瀝」そのものは適切だったのだろうか。

 実は、日本相撲協会・評議員会には、たいへん大きな権限がある。協会の定款第 18 条によれば「評議員会は次の事項について決する」とされ、以下の(1)から(8)までの権限が明記されている。
(1)理事及び監事並びに会計監査人の選任又は解任
(2)理事及び監事の報酬等の額
(3)評議員に対する報酬等の支給の基準
(4)貸借対照表及び正味財産増減計算書の承認
(5)定款の変更
(6)残余財産の処分
(7)基本財産の処分又は除外の承認
(8)その他評議員会で決議するものとして法令又はこの定款で定められた事項

 これによると、理事・監事の人事から決算の承認、定款の変更に至るまで、協会の運営における重要な事項は、いずれも評議員会の議を経る必要がある。そして、その重要な権限の一つとして、理事の「解任権」の存在があるのだ。貴乃花親方は協会の理事であるが、「職務上の義務に違反し、又は職務を怠ったとき」には、評議員会の決議によって解任することができる(定款第32条)ことを忘れてはならない。

 池坊保子氏は、このような重大な権限を有する評議員会をまとめる「現職の議長」の立場にある。すなわち、ひとたび「貴乃花理事の解任の可否」が評議員会の議案として上程された場合、評議員会を主宰してその意見をまとめる責任は池坊保子議長の両肩にかかっているのだ。その「現職議長」が、こともあろうに、あちらこちらのTVに出演して「貴乃花親方の失態」を指摘し、私的な意見をペラペラしゃべりまくるのは、いかがなものか。例えるなら、現職の裁判長がTVに出演して、自分が担当するであろう被告人(ただし立件すらされていない)の罪状について指摘したうえで私的な意見を披歴することに等しい。自分の立場と責任をわきまえない、その「非常識さ」は、誰の目にも明らかであろう。

 しかも、その「私的意見」(いや、むしろ「協会擁護のための喧伝」と言った方が良いだろう)の内容は、まったくもって「いいがかり」「難癖」「いちゃもん」の域を出ないのである。池坊議長の過剰なまでの「TV露出」は、視聴者らの不評を買ったのか、もはや「幕引き」となった。しかし、このままでは、貴乃花親方が理事を解任される可能性も十分にある…という危機的な状況は続いているのだ。(…つづく)

兵庫県弁護士会/神戸市中央区/藤本尚道法律事務所
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