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藤本尚道

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藤本尚道(ふじもとまさみち)

「藤本尚道法律事務所」

コラム

「自白」偏重があぶない

刑事事件

2012年10月17日

 「自白事件」か、それとも「否認事件」か? 私ども弁護士が、刑事事件で最初にチェックする項目の一つです。たとえ「自白」していても、本当に間違いがないか、しつこく尋ねます。やってもないことを無理やり「自白」させられている可能性がゼロではないからです。

 「自白」は、昔から「証拠の王様」と言われてきました。江戸時代の「お白州」でも、犯人(容疑者)が「おそれいりました」と言って罪状を認めない限り、有罪に出来なかったそうです。たとえ客観的な物証があっても、本人が「自白」しない限り罪に問えない…という考え方が何処から来ていたのか、私には解りませんけれど。

 現代の刑事裁判でも、「自白事件」が殆どです。最初は否認あるいは黙秘していようとも、あらゆる手練手管を駆使して「自白」を獲得することが、捜査員の「手腕」なのです。裁判官も「自白事件」であれば、安心して「有罪判決」を言い渡すことが出来るというものです。

 さすがに、江戸時代のように「拷問」が許されるわけではありませんが、否認事件では、家族とも面会出来ないよう「接見禁止」の措置が取られ、朝から晩まで「おまえがやったんだろう!」と厳しく責め立てられます。精神的に孤立し、身も心も疲れ果て、やってもいない事件を「私がやりました」などと「虚偽自白」してしまうケースがあり得ることは、皆さん、もう十分にご理解いただけると思います。

 ところで、いったん「自白」が獲得されると、捜査側の「ワキ」が甘くなる現象が起きます。否認事件では、証拠物などの客観証拠を重視して、証拠が指し示す「犯人」を特定する作業に力点が置かれますが、「自白」があると、証拠や情報の収集も「自白」を裏付けるだけの範囲に縮小されがちです。ひどい場合は、「自白」と矛盾する証拠については、無視されたり隠匿されたりすることも起きてしまうのです。

 実は、世の中には「隠れた冤罪」がいっぱいあるはず…と、私自身は確信しています。皆さん、どうかご用心ください。

兵庫県弁護士会/神戸市中央区/藤本尚道法律事務所
職人かたぎの法律のプロ、弁護士藤本尚道です!
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