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藤本尚道(ふじもとまさみち)

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コラム

供述調書の改ざんがアブナイ

ニュースの読み方

2012年8月23日

 大阪府警は、「消せるボールペン」で供述調書を作成し、その後に無断で調書を書き直したとして、北堺署の巡査部長を虚偽有印公文書作成・同行使容疑で書類送検のうえ、減給10分の1(6ヵ月)の懲戒処分にしたことを公表しました。

 実は「供述調書の改ざん」は、決して新しい問題ではなく、ずいぶん昔からあった問題です。少なくとも私が修習生だった27~8年前は、「供述調書の改ざん」は、やろうと思えば簡単に出来る仕組みでした。もちろん「出来る」ということと「やってしまう」こととは、まったく意味がちがうのですが。

 その当時の供述調書は全部が「手書き」でした。調書が書きあがると、被疑者や参考人に「読み聞かせ」を行い、内容を確認させたうえで調書の末尾に署名・押印(指印)をさせます。その後、供述調書作成者が署名・押印し、何枚かにわたる調書を「コヨリ」で綴じ、各丁の間に割り印をして出来上がりなのですが、最後の作業は必ずしも被疑者や参考人の目の前で行うわけではありません。

 したがって、被疑者や参考人が署名・押印(指印)した最後の頁を活かせば、あとの用紙は後で「差し替え」することも可能でした。丁数や頁数の記載もなかったので、用紙が1枚増えたとしても誰にもわかりません。

 また、調書の「加除訂正」は、供述調書作成者の訂正印だけでOKですから、供述調書の内容に関係がない、単なる「誤字脱字」などの訂正は、「読み聞かせ」のあとでも平気で行われていましたし、その点はあまり問題視されなかったように思います。

 現在は、供述調書の各頁ごとに、頁数を書き入れるとともに被疑者の押印(指印)をする仕組みになっています。このような「改ざん防止システム」が順次取り入れられてきた裏には、常に「供述調書」が改ざんの危機にさらされてきた…という歴史的事実があるわけです。

 これまで、「供述調書改ざん」のニュースは、警察や検察の不祥事として、何度も何度も伝えられてきましたが、今回の「消せるボールペン」の登場には呆れてモノが言えません。最初から「改ざん」の準備を用意周到にしているわけなのですから…ね。

兵庫県弁護士会/神戸市中央区/藤本尚道法律事務所
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