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藤本尚道

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藤本尚道(ふじもとまさみち)

「藤本尚道法律事務所」

コラム

住民票がアブナイ

知って賢くなる!

2012年5月16日

 今朝(2012/5/16)のNHK「あさイチ」では、「消えた子ども」の特集が組まれていました。住民票のうえでは居住しているのに、就学しない子ども、あるいは突然学校に来なくなった子ども…の問題です。

 私どもの経験上、DV被害や多重債務等の問題を抱え、住民票をそのままにして家を出るケースも多々あります。ところが、この番組のコメンテーターの「ノンフィクション作家」先生が「住民票を移さないと転校ができない」とおっしゃり、隣にいた女性弁護士もこれを否定しなかったので、私はたいへん驚きました。

 もちろん通常は、住民票と就学関係が「連動」しています。住民票があるところの学校に通うのが原則とされ、住民票を移転させて転校するという手順が踏まれます。しかし、何事にも例外があるのです。現在では、居住の実態があるけれども住民票の移転が出来ない「のっぴきならない事情」を抱えた家庭の子女も、現地の学校に通うことが出来ます。

 確かに、昔々は住民票の移転手続にこだわったため、居住の実態があっても現地の学校に行けない児童がいました。逆に、子どもを学校に通わせようとして住民票を移動させた結果、債権者等に居所を突き止められ、さらなる「夜逃げ」を余儀なくされたり、果ては「一家心中」などの悲劇を生んだりもしました。

 当時の金融業者らにとって、合言葉は「子どもの足取りを追え!」でした。そこで、このような悲劇を生まないために、学校・教育委員会などが、必ずしも住民票と連動しないフレキシブルな対応をするようになったものです。

 ところで、住民票については、不開示(交付制限)の制度があります。住民基本台帳の閲覧、住民票の写しの交付、戸籍の附票の写しの交付等について、本人以外は(たとえ夫婦であっても)拒絶してくれる制度です。ただし、これは、主にDV被害者に対する支援策であり、DV被害について警察署の証明が必要など、その手続は必ずしも簡単ではありません。

 しかも、昨年2月の報道ですが、兵庫県姫路市の職員がDV被害女性の住民票を、こともあろうにDV夫に交付するという失態をしでかしました。DV夫は住民票交付の翌日に直接女性宅を訪れたといいます。幸いトラブルには発展しなかったようですが、この失態で姫路市は女性と示談のうえ、慰謝料30万円を支払ったと聞きます。

 こういう「失態」を見せつけられると、私ども弁護士としては、「不開示(交付制限)の制度があるから安心して住民票を移しなさい」などとは到底言えません。DV被害者の場合、まさに身体・生命にかかわる問題だからです。結果として、とりあえずは住民票をそのままにして…ということになってしまいます。

 なお、さきほどのNHK「あさイチ」の「誤報?」ですが、間違いを指摘するたくさんのFAXやメールが届いたようで(私も出しましたが:笑)、あらためて、住民票を移転しなくても子どもを学校に通わせることが出来る旨の説明が丁寧に繰り返され、私自身も安心いたしました。

兵庫県弁護士会/神戸市中央区/藤本尚道法律事務所
職人かたぎの法律のプロ、弁護士藤本尚道です!
http://mbp-kobe.com/lawyer-fujimoto/

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