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藤本尚道

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藤本尚道(ふじもとまさみち)

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コラム

結婚詐欺って?

刑事事件

2011年2月2日 / 2011年2月3日更新

 京都地裁は、独身女性6人に結婚話を持ち掛け、計約7200万円をだまし取ったとして詐欺などの罪に問われた被告に対し、懲役7年(求刑懲役8年)の判決を言い渡しました。裁判官は判決理由で「犯行は卑劣で、被害額も高額。被害者は結婚を夢見た相手に手玉に取られ、単なる金銭的被害にとどまらない打撃を受けた」と述べています(産経新聞平成23年1月13日より)。
 
 この記事のタイトルは、≪「卑劣な犯行」女性6人に結婚詐欺の男、懲役7年判決≫となっていますが、「結婚詐欺」は、刑法などの法律に規定があるのでしょうか? 答えはノーです。刑事ドラマなどでも「アカサギ」の符牒でお馴染みの「結婚詐欺」は、実は通常の「詐欺罪」として処断されます。

 詐欺罪の要件としては、まず「欺罔(ぎもう)行為」つまり「相手を騙す行為」が必要です。「結婚詐欺」と聞くと、この場合の「欺罔行為」は、「結婚する意思がないのに、その気があるように偽って騙したこと」などと考えがちですが、それは間違いなのです。

 例えば、結婚する意思がないのにその気があるように偽って、男女の関係を結んだとしても、それだけでは詐欺罪は成立しません(民事上の不法行為になる可能性はありますが)。詐欺罪は「財産犯」であり、財物の交付か財産上の利益を受けないと成立しないからです。

 また「結婚しよう」と言う「嘘」が、そのまま「お金を騙し取る行為」と直結するわけでなく、その間には、もう少し「具体的な嘘」が介在します。例えば「事業資金としてまとまったお金がすぐに必要なので助けて欲しい。来月末には取引のお金が入るから全額返せる」などと虚構の事実を告げて信用させ、貸金あるいは立替金名下にお金を騙し取るのが、典型的な「結婚詐欺」の手口なのです。

 「あなたと結婚するんだからお金を貸して欲しい」というわけではなく、「あなたと結婚する私なんだから信用して欲しい」というのが大前提にあって、さらに「具体的な嘘」、例えば「母親のガン手術に多額の医療費が必要」「仕事でしくじって会社に大きな損害を与えた」「交通事故の相手に示談金を支払わなければ逮捕される」などという虚構の事実を申し向けたうえ、返す気もないのに「必ず返す」と言って信用させる行為が「欺罔行為」を構成するわけです。

 「結婚詐欺」は、心を許し深く信頼してくれている相手の気持ちを逆手にとって騙すわけですから、金銭面の被害だけではなく、一生涯残るかも知れない大きな心の傷を相手に与えてしまいます。その意味では、「もうけ話」を持ちかけて相手を騙すような詐欺犯よりも、罪は格段に重いと言わざるを得ません。

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