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河口千弥

世界各国で潜ったダイビングインストラクターのプロ

河口千弥(かわぐちちや)

株式会社カナウ

コラム

ダイビングの呼吸の基本は口呼吸

ダイビング中は陸上の呼吸と違い、マウスピースを口にくわえてレギュレーターで呼吸を行います。初心者の頃はこの口呼吸に慣れないため、鼻から空気を吸ってしまう方もいます。そうなるとマスクに水が入ってパニックを起こすケースもあります。

今回はダイビング中の呼吸法・口呼吸のコツや息苦しくなった時の対処法などをご紹介します。

ダイビングでの鼻呼吸はNG!口呼吸のコツをマスターしよう

私たちは、陸上では特に意識せず自然に呼吸をしていますが、海の中ではレギュレーターがなければ呼吸できません。そのため、ダイビング中は空気の大切さを実感します。

そして、初心者の多くがレギュレーターのマウスピースを離したら死んでしまうのではないかとの恐怖感から、マウスピースを強く噛んでしまう傾向があるようです。

ダイビング中の呼吸法は、レギュレーターを加えているため口呼吸が基本です。鼻で呼吸してしまうとマスクが曇るだけではなく、海水が肺に流れ込んで息ができなくなる危険があるからで、事故につながります

ダイビングの時は何があっても口呼吸です。これをしっかりと意識しましょう。レギュレーターのマウスピースをくわえたら、ゆっくりと息を吐き、細く長く息を吸います。この時に息を全部吐くと自然に息を吸い込みますので、全部吐ききることがダイビングの呼吸法のコツです。腹式呼吸を行うイメージで、5秒ゆっくり息を吸ったら5秒ゆっくり息を吐きましょう。

息を吐きながら首や肩の周り、上半身の力を抜いてください。リラックスした状態でいると、耳抜きもしやすくなります。

ダイビングの一週間くらい前から口呼吸を意識的に行うなど、陸上でのイメージトレーニングも効果的です。ゆっくり深呼吸を意識して、口から息を吐ききる練習を繰り返します。

お風呂の湯船でシュノーケルをくわえて顔をつけ、水の中で口呼吸の練習を行うこともおすすめです。口呼吸をスムーズにできるようになったと自信ができれば、精神的に安定してダイビングを楽しめるようになります。

ダイビング中に息苦しくなった時の対処方法とは

ダイビング中に口呼吸を心がけていても、息苦しく感じてしまう方は結構います。ダイビングの呼吸法に慣れていない方は、吸うことに一生懸命になっていて、吐くことを忘れてしまっているケースが多いのです。

吐く息の量が少ないと、肺で消費された酸素濃度の低い空気と酸素濃度の高い新鮮な空気の交換が上手く行えない状態になります。十分な空気を体内に取り込めないので息苦しさを感じるのです。

ほかに考えられる息苦しくなる原因は、早くて浅い呼吸を繰り返したり、激しく泳いだり、極端なオーバーウエイトが挙げられます。ガイドやインストラクターに自分の適性ウエイトを相談して、極端なオーバーウエイトを避けること、ダイビング中はゆっくりとスローモーションのように移動することなどを心がけましょう。

息苦しさを感じた時の対処法ですが、まずは何かにつかまるなどして体を安定させて動きを止めて、大きくゆっくりと息を吐ききりましょう。そして、同じようにゆっくりと息を吸います。

ただゆっくり呼吸するのではなく、空気の量を意識してください。そして、同じ量を吐くことを意識します。口の周りや首、肩の力を抜いて2~3回続けてください。そして、通常のダイビングの呼吸法である深呼吸のようにゆっくりとした口呼吸を心がけてください。

もし、耳に違和感があれば早めに耳抜きをしましょう。耳の痛さをそのままにしておくと、ひどい頭痛やめまいにつながるケースもあるので、こまめに行ってください。

また、息苦しいと感じても周りに遠慮して我慢しすぎないこと。このままだと息苦しくなりそうと感じたら、上記の対処法を行って正しい呼吸を取り戻します。しかし、無理は禁物です。息苦しいことをインストラクターやバディに伝えましょう。

息苦しくなると水面に浮上したくなるかもしれませんが、減圧症を回避するためにも一気に水面まで急浮上してはいけません。インストラクターやバディと浮上速度と水面の安全を確認し、安全なスピードで浮上するようにしましょう。

ダイビング中の呼吸を乱さないために不安要素は取り除こう

ダイビング中に強い不安を抱えていると、呼吸はできているのに息苦しく感じることもあります。そんな方は具体的に何が不安なのか見つめ直しましょう。

もし、水に対する恐怖心がぬぐえないなら、浅場でマスククリアやマスクなしでの呼吸を練習してください。レギュレーターが外れるかもしれないといった不安なら、外れた時のリカバリーを練習するなど、恐怖心を徐々に小さくして、それに打ち勝つくらいダイビングスキルを身につけることで不安は取り除けます。

何が不安かを明確にして、その要素をきちんと解消すれば、ダイビングを心から楽しめるようになります。

この記事を書いたプロ

河口千弥

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