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今里寛

中小企業の経営労務のプロ

今里寛(いまざとひろし)

今里大西経営事務所

コラム

役員賞与の社会保険料の計算の仕方

社会保険料の基礎知識

2016年6月25日 / 2016年6月29日更新


役員であれ、一般の従業員であれ、賞与に対する社会保険料の計算方法は同じで変わりはありません。ただし役員賞与の場合、損金扱いにできなくなる可能性が高く、場合によっては脱税と見なされてしまうリスクもあります。

そこで今回は、役員の賞与に関する基本的な知識とともに保険料の計算方法について詳しくご説明します。

役員賞与が脱税と見なされてしまうケース

役員に賞与を与え、それを損金に算入させるには必ず支給時期と支給額をあらかじめ定めていなくてはなりません。

では事前に支給額、支給時期を定めずに、突発的に賞与を与えることがなぜ脱税と見なされてしまうのでしょう?

例えば予想よりも大幅に利益が出た場合、法人税の高騰を嫌い、利益分を役員に賞与として与えることで、法人税を安く済ますことができます。これが結果として、脱税であると判断されてしまうからです。

役員賞与を損金とするために提出する「事前確定届出給与」

役員賞与を損金として認めてもらうには、事前に株主総会などで役員賞与の支給時期と支給額を役員ごとに決めたものを税務署に届け出る必要があります。これを「事前確定届出給与」といいます。

事前確定届出給与の提出期限は、支給時期、支給額を確定させた株主総会から1カ月を経過する日までとなっています。

仮に事前確定届出給与を提出しない、もしくは何らかの事情で役員賞与が損金不算入となった場合、会社側は法人税を支払うことになります。当然、賞与を受け取った役員に対して所得税はかかりますので、支払った金額に対して法人税、所得税と二重に課税されることになります。

役員賞与の社会保険料

事前確定届出給与の提出など、損金算入するためには厳しい制限のある役員賞与ですが、上手く利用することによっては社会保険料の節約につながります。

社会保険料の計算方法は、賞与額から1,000円未満の端数を切り捨てた額(標準賞与額)に、保険料率を乗じた額となります。ただ賞与には、健康保険は年間573万円(毎年4月1日から翌年3月31日までの累計額)、厚生年金保険と子ども・子育て拠出金の場合は月間150万円と限度額が設定されています。

つまり役員賞与を573万円以上に設定することで、それ以上の分に関しては保険料率がかからないということです。例えば役員報酬の年間総額は変えることなく、毎月の報酬を少なくして残りを役員賞与として与えることで、社会保険料は大幅に節約できることになります。

もちろん役員賞与の額に関しては、株主総会で決定するため、社長の一存だけで自由にすることはできません。

しかしできるかぎり節約をするという意味では、しっかりと事前確定届出給与を提出し、社会保険料率を考慮した上で決めることが重要だといえます。

社会保険料の計算と料金が決まる仕組み

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