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今里寛

中小企業の経営労務のプロ

今里寛(いまざとひろし)

今里大西経営事務所

コラム

役員の退職金の決め方

経営マメ知識

2016年6月23日 / 2016年6月28日更新


一般の従業員と同様に社長を含めた役員に対しても退職金を支払う場合、問題はその金額です。退職金は法で定められた制度ではないため、基本的には会社ごとに自由に決めることができます。しかし、あまりにも高額になると損金計上ができなくなるというデメリットがあります。

ただしこの高額という基準も、いくら以上と決められているわけではありません。そのため、いくらであれば損金として合理的な金額であろうかとお悩みの方も多いのではないでしょうか?そこで今回は、役員の退職金の決め方について詳しくご説明します。

一般的に役員の退職金を計算する時に用いられる功績倍率法

冒頭でも示したように、退職金は法で定められた制度ではありません。そのため、法によって具体的な退職金の計算方法は決まっていません。そこで、一般的に用いられる方法が功績倍率法という方法です。

この功績倍率法とは、役員任期中の会社への貢献の度合いを、ある一定の倍率として数値化したものです。もちろんこの倍率の決め方も会社ごとにさまざまですが、同業他社などと比べ著しく差異があると損金として認められなくなる場合があります。

同業他社や自社と同規模の会社の倍率を参考に、大きな差異が出ないよう調整すると良いでしょう。

功績倍率法を用いた退職金の計算方法

実際に功績倍率法を用いた退職金の計算方法は以下の通りです。

最終報酬月額×役員としての在任年数×功績倍率=退職金

一般的に功績倍率は2~3倍の範囲で、退職者の最終的な役職によって決められます。ここでは社長が退職するケースで功績倍率を3倍として計算してみます。

最終報酬月額100万円×役員としての在任年数20年×功績倍率3倍=6千万円
この最終報酬月額については他に工夫すれば有効な方法が考えられますが、ここでは一般的なものを述べました。

となります。なお、功績倍率法を用いた場合であっても、在任年数、退職理由、同業他社や同規模の会社の退職金を参照し、不相当に高額であると判断されれば、損金不算入となる可能性はありますのでご注意ください。

役員退職金のトラブルを防ぐためのポイント

仮に役員退職金が損金不算入と判断された場合、その分の金額が法人税法上の経費とならなくなり、法人税が課せられることになります。また退職金として支給しているため、退職者には退職所得に対して所得税が課せられます。つまり、損金不算入となった金額には法人税と所得税が二重で課税されることになってしまいます。

こういったリスクを避けるためにも、同業他社や同規模の会社の退職金を参照にした上で、あらかじめ役員退職金に関する規程を決めておくことが重要です。規程により退職金支給額の根拠を示すことで、二重課税などのトラブルを未然に防ぐことができます。

就業規則で退職金の規定の仕方について

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