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今里寛

中小企業の経営労務のプロ

今里寛(いまざとひろし)

今里大西経営事務所

コラム

退職金を中小企業が導入するメリット

経営マメ知識

2016年6月21日 / 2016年6月28日更新


中小企業経営者の方の中で、従業員の退職金について悩まれている方も多いと思います。もちろん退職金は法律で定められているわけではないため、必ずしも払わなくてはいけないわけではありません。

しかし、自社に長年勤務してくれていた従業員への感謝の気持ちを表すという意味では、退職金はうってつけの制度です。また従業員の福利厚生、モチベーションのアップという面でも退職金は大きな効果を持ちます。

そこで今回は中小企業が退職金を導入するメリットについて詳しくご説明します。

中小企業で人気の退職金制度

中小企業が退職金制度を導入する際、いくつかの選択肢がありますが、その中でも人気なのが中小企業退職金共済です。

昭和34年に中小企業退職金共済法に基づき設けられた、中小企業のための国の退職金制度である中小企業退職金共済は、平成28年3月の段階で、362,092の企業が加入していて、運用資産額も約4.6兆円にのぼっています。基本的な加入の条件は以下の通りです。

中小企業退職金共済の加入条件

●一般業種(製造業、建設業等)の場合、常用従業員数が300人以下または資本金が3億円以下。
●卸売業の場合、常用従業員数が100人以下または資本金が1億円以下。
●サービス業の場合、常用従業員数が100人以下または資本金が5千万円以下。
●小売業の場合、常用従業員数が50人以下または資本金が5千万円以下。

原則として従業員全員加入となりますが、期間や季節限定で雇用される従業員や試用期間、短時間勤務の従業員、定年などで相当の期間内に雇用関係の終了することが明らかな従業員などは加入させなくても問題ありません。

また、事業主や小規模企業共済に加入している人や被共済者になることに反対の意思を表明した従業員は加入ができません。

掛金は月々5,000円から30,000円の間で16通りあり、その中から選択します。また労働時間が週30時間未満のパートタイマー等短時間勤務の従業員については2,000円、3,000円、4,000円の3通りの中から選択します。

中小企業退職金共済のメリット

中小企業退職金共済に加入するメリットは以下のようなものがあります。

●国の助成が受けられる。
●従業員が24ヶ月間勤務すれば掛金総額を上回る退職金が積み立てられる。
●掛金は法人企業の場合は損金として、個人企業の場合は必要経費として、全額非課税となる。
●毎月の掛金は口座振替で納付でき、加入後の面倒な手続きや事務処理もない。
●加入者は、中小企業退職金共済と提携しているホテル、レジャー施設などを、加入企業の特典として割引料金で利用できる。

このほか、ここで長く働けば退職金が出るということが従業員のモチベーションとなり、業績アップの効果も期待できるという目に見えないメリットも発生します。

中小企業退職金共済は国営の退職金制度ですが、その内情は債務超過の財政状態であり、政府の財政危機と同じ内容といわざるを得ません。
この制度に加入する場合は、小口加入の場合、もしもの時が来ても負担が少なくないのですが、この点についても経営判断が必要となります。

就業規則で退職金の規定の仕方について
役員の退職金の決め方

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