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今里寛

中小企業の経営労務のプロ

今里寛(いまざとひろし)

今里大西経営事務所

コラム

決算書によくある役員借入金は不利に。解消法とは?

経営マメ知識

2016年6月19日 / 2016年6月23日更新


社長を含む役員が、会社に対して貸し付けるお金のことを役員借入金と言います。主に中小企業でよく見られる勘定科目の一つです。資金繰りが上手くいかず、月末に支払ができなくなってしまう場合などに、役員が会社に個人のお金を貸し付け、急場をしのぐ形で使われます。

役員借入金は、そのまま放置しておくと会社にとっても貸し付けた役員にとってもデメリットが多く、できるだけ早く処理をする必要があります。

そこで今回は役員借入金のメリット、デメリット、そしてその解消法について詳しくご説明します。

無利子、無担保になる? 役員借入金のメリット

この役員借入金、会社側から見ると役員の了承があれば無利子、無担保になるというメリットがあります。

また取締役会の承認が必要になりますが、利子をつけて返済することで、支払利息という費用が発生するため、節税対策になります。

ただしこの場合、役員側は収益になるため、個人として支払う税金の額は増えるというデメリットが発生します。

相続税の対象になる? 役員借入金のデメリット

これに対してデメリットは大きく2つあります。まず一つ目は、役員借入金は相続税の対象になるということです。会社に貸し付けた役員が死亡してしまった場合、役員借入金は相続財産になるため、その役員の相続人は、相続税を支払わなくてはいけなくなります。

役員借入金の解消法

役員借入金の解消法の一つ目は、お金を貸し付けた役員に対し、債権を書面で放棄してもらう方法です。

ただし、それによって会社側は債務免除益という収入になってしまいます。そのため、その金額が税務上の繰越欠損の金額を超える場合は、法人税などの対象になります。

さらに債務免除をすることで債務超過ではなくなるため、一株当たりの株価が増加する可能性が出ることにより、場合によっては株主への贈与の問題も発生します。したがって、決しておすすめできません。

二つ目は役員の給与を減らし、その減額分を返済に回す方法です。ただし役員借り入れ金の返済は経費にはなりません。税金を払ったあとの余剰資金から返済を受ける形となります。

三つ目は役員借入金を資本金に振り替える方法です。負債が自己資本となるため、自己資本率が一気に増加し銀行からの融資も受けやすくなります。

ただし振り替えた結果、資本金が1億円を超えてしまうと法人税の均等割額の増加や、外形標準課税の対象になるなど増税の可能性があります。また借入れから資本への振り替え時のやり方によっては、債務免除益や贈与税課税がかかる恐れも発生しますので注意が必要です。

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