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今里寛

中小企業の経営労務のプロ

今里寛(いまざとひろし)

今里大西経営事務所

コラム

建設業の労災。料率はいくら?

経営マメ知識

2016年6月17日 / 2016年6月28日更新


建設業はその仕事がら、他の職種に比べ事故にあう確率が高い職業と言えるでしょう。また建設業の場合、元請から下請、さらにその下請といった形で、請負契約による作業が多く、労災保険も一般的な職種とは異なる形での契約となります。

一つのミスが、大きな事故を招くリスクが高いのが建設業です。労災保険の手続きをおろそかにしていると、万が一の際に事故にあった本人はもちろん、会社にかかる負担も大変に大きなものとなります。そこで今回は建設業の労災保険について詳しくご説明します。

建設業で労災保険を支払うのは元請会社

冒頭でも触れたように、建設業は元請から下請、さらにその下請といった形での契約が多いのが特徴です。その上、一つの工事が終わればまた別の場所といった形で、一定の場所で働くのではないのも建設業の特徴の一つです。そのため、労災保険もその工事が開始されるごとに加入手続が必要となります。

では、そのたびに労災保険の手続き、支払をしなくてはいけないのでしょうか?

ここがまた建設業の特殊なところですが、労災保険の手続き、支払は、下請会社は一切行う必要はありません。建設業の労災保険は、すべて元請会社が行います。

つまり自分が所属する会社の労災保険ではなく、元請の労災保険で保護されるというのが建設業における労災保険の仕組みとなっています。

建設業での労災保険加入手続き

建設業で労災保険に加入する際、事業開始日から10日以内に保険関係成立届を、工事現場所在地を管轄する労働基準監督署へ提出します。

また事業開始日から20日以内に、概算保険料申告書を、工事現場所在地を管轄する労働基準監督署か都道府県労働局または日本銀行に概算保険料とともに提出します。

さらに工期中に報告した賃金総額の見込額が2倍を超えて増加し、かつ、その賃金総額による概算保険料額と申告済みの概算保険料額との差額が13万円以上となった際には、その日から30日以内に増加概算保険料申告書を提出します。

また気を付けないといけないのが、一人親方です。上述した労災保険が適用されるのは下請の会社の従業員だけです。そのため、一人親方は「一人親方特別加入労災保険」に別途加入する必要があります。

労災保険料の計算方法

建設工事については、4月から翌年3月までの1年間に完成した元請工事の請負金額をまとめ、保険料の計算し納付します。これを一括有期事業といいます。この際、請負金額1億9千万円以上かつ概算保険料160万円以上の工事は除きます。

保険料は元請金額100万円に対し、庭園工事を含む建設事業で2,530円。既設建築物設備工事業で3,450円。その他の建設事業で4,080円。舗装工事業で1,620円となります(労務費率、労災保険料率はそれぞれ異なります。また賃金総額の1000分の0.02が石綿一般拠出金として課せられます)。

また保険料は、
(4月から翌年3月までの1年間に完成した元請工事の請負金額×労務費率=賃金総額)×保険料率=保険料

で計算します。

仮に1年間の間に1億円の金額の建築事業を請け負った場合

元請工事請負額 100,000,000円 × 労務費率 23% = 賃金総額 23,000,000円
賃金総額 23,000,000円 × 保険料率 11/1,000 = 保険料 253,460円
(賃金総額 23,000,000円 ×0.02/1,000含む)

となります(尚、保険料、労務費率などはすべて平成27年度のものです)。

建設業における就業規則のポイント

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