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今里寛

中小企業の経営労務のプロ

今里寛(いまざとひろし)

今里大西経営事務所

コラム

建設業でよくある黒字倒産はなぜ起こるのか?

経営マメ知識

2016年6月15日 / 2016年6月28日更新


東日本大震災の復興事業や東京オリンピックなどで好況に沸く建設業。しかし、2015年には倒産数が6,856件と全産業のトップを記録しています。

好況ではあるものの、人手不足、労務費などの高騰などによって倒産が減らない建設業ですが、実は黒字でありながら倒産してしまう黒字倒産も建設業では少なくないのです。

そこで今回は、建設業でなぜ黒字倒産が起きてしまうのかについて詳しくご説明します。

バランスシート上と手持ち現金の差異が生み出す黒字倒産

そもそも黒字倒産とは、バランスシート上では黒字になっているのにも関わらず、手持ちの現金がないことで買掛金などの支払いができずに倒産してしまうことを言います。

例えば、取引先から翌々月に1億円の売掛金が入金。そして別の取引先には翌月支払い予定の5千万の買掛金があるとします。この場合、バランスシート上では売掛金1億円から買掛金5千万円を引いた5千万円のプラスがあることになります。

しかし、仮に手元に現金が3千万円しかないとなるとどうなるでしょう?

翌月支払い予定の5千万には2千万円足りないということになり、支払ができません。つまりこの会社はバランスシート上では黒字ですが、手持ちの現金に余裕がないため、倒産の危険性があるということになります。

建設業で黒字倒産が多い理由

建設業で黒字倒産が多い理由は一つではありません。ただ建設業は一件ごとの金額が高く、一つでも入金が遅れてしまうと一気に大きな現金が必要となり、それが用意できずに倒産してしまうといったことが、大きな理由であると考えられます。

また建設業の慢性的な人手不足も、黒字倒産の原因の一つとして挙げられます。現在は東日本大震災の復興事業や東京オリンピックなどで好況になっているものの、それ以前は長らく不況が続いていました。それによって、施工業従事者が大きく減少してしまっています。

人手が減っているのに関わらず仕事量が増えているため、施工業従事者の賃金が上がり、仕事を受けたくても受けられず、現金が回らなくなって倒産してしまうといったケースも増えています。

黒字倒産を防ぐにはキャッシュフロー経営への転換が必須

黒字倒産を防ぐ方法はいくつかありますが、その中でも必須となるのが、一刻も早くキャッシュフロー経営への転換を図ることです。

今、手持ちの現金がいくらあるのか?今後、その現金が増えていくのか減っていくのか?減っていくとすればどういった対策を取っていくのかなどを、明確にしていくことが重要です。

建設業、特に中小の工務店などはいまだにバランスシートなどの帳簿だけに頼っているところが少なくありません。しかし、それだけでは黒字倒産というリスクを常に背負うことになります。

何よりも早くキャッシュフロー経営に転換することが、黒字倒産を防ぐための第一歩となるのです。

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