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安藤康典プロのご紹介

手延べそうめん「揖保乃糸」の味と伝統を受け継ぐ職人(2/3)

揖保乃糸のそうめん

全工程に丹精を込め、36時間かけておいしさ引き出す

 揖保乃糸は例年、10月から4月までの限られた時期に製造され、特に寒さが厳しい12月から2月に作られた揖保乃糸は、コシが強く舌触りが良いことで知られています。安藤商店では製麺作業を早朝4時に開始。1つ1つの工程に丹精を込め、36時間もかけて手延べそうめんのおいしさを引き出します。

 特に小麦粉・食塩・水をこね合わせる生地作りは、全工程の基礎となるため細心の注意を払うと話す安藤さん。「生地は、毎日同じ硬さに仕上げることが重要。また工場内の衛生管理はもちろん、室温や水温、湿度が最適かどうか細やかに気配りをしています」

 揖保乃糸は小麦粉のグレードや製造時期などによって数種類の等級があり、赤、黒、金などの帯で色分けされています。安藤商店は主力の「赤帯(上級)」のほか、協同組合から認定を受けた熟練工場だけが製造できる「黒帯(特級)」、国家資格である「手延製麺技能士」の有資格者だけが作れる「金帯(熟成麵)」などの高級そうめんも製造しています。

 また製麺だけでなく揖保乃糸特約店として、全国の百貨店に贈答品用の「揖保乃糸ギフト」を販売しています。「そうめんを入れる木箱にはモミの木を採用。自社で木箱の組み立てまで行っています。モミの木は調湿効果に優れ香りが少ないので、そうめんに匂いが移りません」

 自社販売する「揖保乃糸ギフト」の全量を自社で製造していることも安藤さんならではのこだわり。常連の顧客から「おいしいそうめんをありがとう」と言われるたびに、自分が作っていない商品が含まれていることにすっきりしないものを感じていたとのこと。10年前、従業員とも相談して全量を自社で製造する決断をしたと話します。

 「自社製造分だけで商売するため、会社の売上高は減ったが気にしていない」と笑う安藤さん。「先様からの評判が非常に良い。毎年楽しみにしている」など、顧客から寄せられる喜びの声を支えにそうめん作りに励みます。「従業員さんの協力・頑張り・勤勉さがあるからできる」とスタッフへの感謝も忘れません。「今はお客さまの感謝の言葉にも『いつもありがとうございます』と胸を張って答えられます」

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