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堀田周郎

企業や個人が気づいていない魅力を引き出すブランディングのプロ

堀田周郎(ほりたのりお) / ブランディングコンサルタント

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コラム

勘違い5「我が社にブランドは必要ない?」

2019年7月1日 公開 / 2019年8月18日更新

テーマ:ブランドのよくある勘違い

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: 企業ブランディング

社長さんとブランディングの話をしていると『ウチにはブランドなんて関係ない。必要ない』と言われることがよくあります。しかし、これは間違いです。

今日は、結論から先に書きます。
ブランドはすべての会社に必要です。


■商店ブランディングのススメ

『ウチは商品を仕入れて売っているだけ。ものづくりをしていないのでブランディングは無理』という社長さんには、商店ブランディングをお薦めしています。

商店ブランディングとは、
そのお店で買う価値や理由をお客さまに伝えて、店舗をブランド化するという考え方です。その店の取扱い商品の品質が良いという「機能的価値」や、そのお店で買う体験が楽しいといった「情緒的価値」をお客さまに伝えて、店舗をブランドにしていく手法です。

機能的価値というと難しそうですが、
皆さんの街に新鮮な魚を取り扱う魚屋や、おいしい野菜を取り揃えていると評判の八百屋はありませんか? これらのお店は立派な商店ブランドです。

たとえば、ある八百屋では大根を1本180円で売っています。隣のスーパーの大根は1本150円です。さて、貴方はどちらで買いますか? この情報だけなら、隣のスーパーで買う人が多いかと思います。

でも、この八百屋が「自分の目で確かめたおいしい大根を全国の農家から仕入れていることで有名なお店」「大根おろし、おでん、ブリ大根、サラダなどそれぞれの使用法に一番適した大根をセレクトしてくれる」「気に入らない仕入れは一切しない」というお店だったらどうでしょうか? この八百屋の大根を選ぶ人は必ずいると思います。

また、家電専門店、紳士服専門店といった具合に品揃えを充実させることで機能性価値を高めることも可能です。ただし、この方法は大企業に有利なので、小さな会社がブランディングをする場合には、高級万年筆専門店、ネギ料理専門店のように徹底的に取扱商品を絞り込む必要があります。


しかし、機能性価値が優れているだけでは強いブランドにはなれません。
商店ブランドには情緒的価値も必要です。

情緒的価値とは、
そこで買うのが楽しい、ワクワクする、どうせ買うならそのお店から買いたいという感情から起こるブランドの価値です。
接客が素晴らしい、店舗の雰囲気が落ち着く、店員のアドバイスが参考になる、手書きのお便りに親近感を覚える・・・皆さんの周りにこんなお店はありませんか?

これなら、小さなお店でも知恵と日頃の頑張りでできそうですね。そして、商店ブランドには自己表現的価値が含まれる場合があります。

自己表現的価値とは
そこで買うことが誇らしい、人に自慢できるなど理想のライフスタイルを提供してくれるブランドの価値です。理想のライフスタイルは様々ですが「このお店で買うことでセレブな自分を自己実現できる」「このお店で買うことで社会貢献できる」といった意義を提供してくれるお店は商店ブランドです。


■個人ブランディングのススメ

『商店ブランディングは理解できたけれど、ウチは規模は小さすぎるので無理』という個人商店の店主さんや、士業、フリーランス、起業家の方には、個人ブランディングがお薦めです。

個人ブランディングによって
「○○と言えば□□さん」と一番最初に思い出してもらえるようなポジションを確立し、この人なら「信頼」できる、この人の考えには「共感」できると印象づけることができれば、大きなアドバンテージを獲得することができます。


近年、企業規模の大小に関わらず代表者は「会社の顔」としてのブランティングが必要になってきました。

携帯大手3社のドコモ、au、ソフトバンクのうち、社長の顔と名前が浮かぶのはどこでしょうか?
恐らく、ほとんどの人が孫正義さんのソフトバンクを思い浮かべるのではないでしょうか? 好きか嫌いかは別として「孫社長のイメージ」=「ソフトバンクのイメージ」につながってます。
孫正義社長以外にも、トヨタ自動車の豊田章男社長もCMなどで最近よく見かけるようになりました。社長の個人イメージが企業イメージをつくりあげています。

個人ブランディングはちょっと恥ずかしいかもしれません。
でも、これは仕事の一貫です。
勇気を持ってチャレンジしてみてください。



■企業ブランディングのススメ

『ウチはBtoB(企業間取引企業)だから必要ない』と言われることもあります。
確かに、一般の消費者を相手とした製品を取り扱っていない場合は、商品名や性能・効能を広く世間にPRする必要はないのかもしれません。

しかし、BtoBであったとしても、
取引先担当者(ターゲット)の心の中に、自社の技術力や問題解決能力の高さを記憶してもらい、必要な時に一番最初に思い出される会社になることは、企業の持続的発展のために必要です。
また、将来取引先になる可能性のある会社(ターゲット)に、技術力や問題解決能力の高さをPRすることができれば、新規顧客開拓にもつながります。

私はブランドを企業ブランド、商品ブランド、商店ブランド、個人ブランドの4つに分類していますが、企業間取引の会社の社長さんには企業ブランディングをお薦めしています。

しかし、企業ブランディングのターゲットは、取引先や将来の取引先候補だけではありません。企業ブランディングのメリットは、リピート客や新規顧客の獲得だけではありません。


【人材確保のための企業ブランディング】

皆さんの会社は、
人材の確保は充分にできていますか?

人手不足が深刻になってきている今、
優秀で就労意欲の高い人材を集める採用活動のためにブランディングをする「採用ブランディング」という考え方を採用する会社が増えてきました。
特に一般消費者を相手にするBtoC企業より、会社の知名度が低いBtoB企業(企業間取引企業)はその必要性が高くなっています。


採用ブランディングのターゲットは
「学生」や「転職者」になので、インターネットや印刷物などを通じて、給与や待遇、仕事の内容、やりがい、将来性といった企業の魅力を伝えていく必要があります。

また、採用ブランディングのターゲットには
学生や転職者の「家族」や「友人」「恋人」といった周りの人間も含まれます。採用辞退の理由の中には「周囲の人間から反対された」というものがあります。企業は家族や友人、恋人にとっても誇らしい企業、自慢したくなる企業であることをアピールすることが大切です。

しかし、「優秀な人材を確保したい」「たくさんの応募者が欲しい」からと言って、企業の良いところばかりを誇張して紹介してしまうと、入社後にミスマッチが発生するので注意が必要です。企業情報や企業の風土を正しく公開し、それに共感できる人材を集めることが、採用後の離職率低減につながります。


【社内へのブランディング活動も必要】

企業ブランディング成功のためには、
社外だけでなく、社内に向けてもブランディング活動が必要です。

社内ブランディングのターゲットは、
役員、社員、パートタイマーなど社内で働くすべての人間です。
従業員は、ブランディングの担い手であり、受け手でもあります。
社内ブランディングに成功すると、従業員満足度や帰属意識の高まりによって

・業務効率や生産効率の向上
・接客態度やサービスの変化による顧客満足度向上
・SNS上での失言やバイトテロの防止
・離職率の低減

といった効果が生まれてきます。

採用ブランディングや社内ブランディングは、
これまでは大企業中心に行われてきましたが、正社員・パートの「人材確保や人材定着の観点」や、業務効率や生産効率の改善と言った「働き方改革の観点」からも中小企業や個人商店でも取り組むべき課題となりました。

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■勘違い8
誤)我が社にブランドは必要ない
正)ブランドはすべての会社に必要



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