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町田誠也

正しい日本語で読みやすい文章を紡ぐ、ことばのプロ

町田誠也(まちだせいや) / 作家

劇団words of hearts

コラム

お願いされたことを引き受けるとき

2020年11月20日

テーマ:文章を書いてみる。

コラムカテゴリ:スクール・習い事

昨日のことなのですが、知り合いの切り絵作家からある相談を受けました。
札幌市内の高校の放送局から、自分をメインとしたドキュメンタリー番組(2021年2月に発表予定)を作りたいので取材させてほしいというオファーを頂いたとのこと。高校生が二回り近く年上の大人に仕事の依頼のメールを送るのは大変勇気がいることだったと思います。
失礼とは思いながらも、そのメールを拝見させて頂きました。
とても丁寧で誠実な、素晴らしい文章でした。

その切り絵作家の相談とは、「オファーをもらったのは大変光栄であり、是非とも引き受けたいが、今のところその時期は表立った活動の予定はない。その旨をメールでどう伝えたらいいだろうか」というものでした。
直接お話しできれば、その口調や雰囲気などでこちらの意図は伝わりやすいのですが、実は文章だとそれはちょっと気を付けなければならないことがあります。内容は同じでも、書き方ひとつで思わぬ誤解を受ける可能性もあるのです。

今回のポイントは『オファーを引き受けたい』と『今は具体的な活動予定がない』の2つです。要は相手にどちらの内容をしっかり伝えたいのかということです。
例えば、以下の文章はどうでしょうか。

『是非ともお引き受けしたいのですが、現在、具体的な活動予定がありません』

どうですか?
まるでオファーを断る口実のような印象を与えませんか?
上の文章で最も問題なのは、相反する情報を「が」で繋いだことです。『引き受けたい「が」活動予定がない』、普段からよく見かける文章ですが、この構造は後半を強調することになります。「やりたいけどできない」、そんなニュアンスですね。書いた方の意図が逆に伝わってしまうパターン。実はこのような文章を目にすることは結構多いのです。

では、どうしたら『オファーを引き受ける』方が強調される文章になるでしょう。
答えは簡単です。
相反する文章を一つにまとめようとしないことです。

『是非ともお引き受けしたいです』

このようにまずは自分が最も言いたいことをしっかりと言い切る。
それから現状の問題点を挙げ、その点について相手に相談する。

『現状はこのような感じです。内容的に大丈夫でしょうか』

こうすれば印象は随分と変わります。
そして最後に

『そちらが大丈夫であれば、全面的に協力させて頂きます』

と書けば、もう相手に誤解される心配はないでしょう。

僕自身、相手に文章で何か返事をするときはとても気を使います。
いわゆる「but」の意味に当たる単語は使わないようにしています。
自分の真意はしっかり相手に届いてほしいですよね。

ちなみに、その切り絵作家と高校生のコラボはどうなったのか。
その結果は僕もまだ知りません。
どうなったのか、楽しみに待っているところなのです。

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